手軽に楽しめて、釣りのターゲットとして非常に身近な存在のハゼ。今回の記事ではそんなハゼの生態をヒントに時期・時間・場所など、どんな条件が釣れやすいのかをまとめました。また、仕掛けごとの釣り方や釣果アップのコツまで、初心者から上級者まで役に立つハゼ釣りの総合的な情報記事となっています。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
ハゼ釣りの仕掛けの種類
ハゼ釣りのタックルは、主にリール竿を使ったちょい投げ(ブッコミ)、ノベ竿を使ったウキ釣り、ミャク釣りがメインですが、最近では専用のクランクベイトを使ったハゼクラというルアーフィッシングも人気を集めています。ここでは4種の仕掛けの詳細と釣り方を解説します。
ウキ釣りの仕掛けと釣り方
使用するノベ竿はヘラ竿や渓流竿、量販店で安く売っている万能竿や小物竿など幅広く使えます。長さは釣り場の水深や足場の高さ、狙うポイントまでの距離などを考えて2~4mほどのものを使い分けしましょう。足場が低いポイントで、8月ぐらいまでのごく浅場で狙える時期なら2m台、それ以降の時期や遠浅のポイントなど沖を狙いたいときは3m以上の竿を選ぶといいでしょう。
ラインは竿と同じぐらいの長さのナイロン1号程度を竿先に結び付けます。
ウキ釣り仕掛けの構成
ウキは棒ウキ、玉ウキ、シモリウキなど何でもOKです。ミチイトにウキとウキ止めを通したらサルカンを結び、その先にハリス0.6~0.8号30cmほどを結びます。
オモリはサルカンの上に、ウキの浮力によりも軽いカミツブシオモリを付けましょう。ハリは流線やハゼ針の6号程度が基準。デキハゼ狙いなら袖針2~4号といった小さい針を使います。
ウキ釣りでの釣り方
ウキ下の調整がキモになります。ハゼの習性上エサが底をはうように調整しましょう。周りが釣れているのに自分だけアタリがない場合は、ウキ下が浅すぎてエサが底から離れてしまっている事が多いので注意しましょう。
ただし、オモリまで底に着いてしまうと、ウキにアタリが出にくくなるので要注意。ウキにちょんちょんとアタリがあったら、ウキが十分に沈み込むのを待ってアワせましょう。
ミャク釣りの仕掛けと釣り方
ミャク釣りのタックルはウキ釣りと同じく2~4m程度のノベ竿を使うことが多いですが、リール竿も使えます。硬い竿ではアタリがわかりにくいのでメバリングロッドやアジングロッドのような穂先が繊細な竿を使いましょう。リール竿の場合、あまり長い竿がないので竿下で探れる範囲は狭くなりますが、同じ仕掛けでちょい投げして広く探ることも可能です。リールは1000~2000番程度の小型のスピニングを使います。
ラインはノベ竿ならナイロン1号程度。リール竿も同じでもいいですが感度の良いPE0.5号程度のほうがアタリはわかりやすいです。その場合、投げたときの擦れ防止や伸びの少ないPEの食い込みアシスト役で、ナイロン0.8~1号程度を20cmほど結んでおくのがおすすめです。
ミャク釣り仕掛けの構成
仕掛けはウキ釣りの仕掛けからウキを取り外すだけでもOKです。カミツブシオモリの重さは底を取りやすい重さを選び、カミツブシの位置を針の5cmほど上に付けるとアタリが分かりやすくなります。
また、ハゼ用などの小型片テンビンを付ける仕掛けもよく使われます。テンビンのアームによって食い込みをサポートするメリットがあるので、アタリがあっても掛からないときに上記の仕掛けと使い分けるのもおすすめです。
テンビン仕掛けはハリスが長いとアタリが出づらいので5~10cm程度に短くすると操作性もよくアタリも分かりやすくなります。オモリはできるだけ軽いほうが感度がいいので0.5~3号程度を流れなどに応じて使い分けます。
ミャク釣りでの釣り方
魚がいそうなポイントに投入し、道糸を張りつつ常にオモリが底に着いている感覚を感じながら、竿先、もしくは手元に伝わるアタリを取ります。
アタリがあるまでは投入地点で待っていてもいいですが、底をズル引きしながら誘ってくるのも手です。アタリがあったら即アワセが基本となります。
ちょい投げ釣りの仕掛けと釣り方
ハゼをちょい投げ釣りで狙う場合、タックルは1.8m(6ft前後)から2.4m(8ft前後)程度のスピニングロッドを使います。浅場を狙う初秋ぐらいまでなら軽いオモリで十分なので、ミャク釣りと同じくアジングロッドやメバリングロッドなどライトなタックルが使いやすいです。リールやラインもミャク釣り同様の小さい番手のスピニングリールに、PEライン0.5号+フロロリーダー0.8号など。
しかし、水温が下がって完全に深場に落ちたハゼを狙うとなるとある程度投げて広く探る必要が出てくるので、5~10号程度のオモリを背負えるバスロッドやエギングロッドなどが向きます。リールは2000~2500番程度の小型のスピニング。ミチイトはPEラインの0.6号ぐらいを巻いておけばいいでしょう。リーダーはフロロリーダー1号を20~30cmほど結束します。
ちょい投げ釣りの仕掛け
ちょい投げ釣りの仕掛けは片テンビンにハリスと針を結んだ仕掛けが基本です。
浅瀬を狙う場合、ミャク釣りの延長のようなイメージで狙うほうが釣りやすく、10cm程度のショートハリスに1本針などがアタリが出やすくおすすめ。テンビンも小さいハゼ用テンビンなどに0.5~3号ほどの軽いオモリを付けたようなライトなもので十分です。
深場を狙う場合はアーム長10~15cmほどのテンビンに、市販の2本針のちょい投げ仕掛けなどを接続します。
ちょい投げでの釣り方
沖のカケアガリや障害物が見えていれば、その周辺に投入します。あとはゆっくりリールを巻くか、竿を手前に引く動作で少しずつサビいて来ましょう。
アタリは手元にブルブルッと伝わるので、ひと呼吸おいて食い込ませてから巻き上げます。ただ、近距離をショートハリスで狙う場合は軽くアワセるのも有効です。アタリが遠のけば、投点を少しずつズラしていきましょう。
ハゼのルアー釣りの仕掛けと釣り方
タックルは専用ロッドも発売されていますが、アジング、メバリングなどのライトソルト用ロッドやエリアトラウトロッド、ウルトラライトクラスのバスロッドなどでも代用できます。
リールは小型のスピニングリールに、ラインはフロロカーボンラインの3~4lbかPEライン0.3~0.6号+リーダーにフロロカーボンライン1.7号前後を30cmくらい直結します。
ルアー釣りの仕掛け
ルアーは専用のクランクベイトが基本。根掛かりすることもあるので、3~4個は用意しておきましょう。エリアトラウトで使うシンキングタイプのクランクベイトも流用可能です。またこちらの記事では解説しませんが、最近はワームで狙う釣り方も出てきました。
ハゼクラの釣り方
ハゼクラの釣り方ですが、まずポイントの選定が重要になります。絶対条件は浅場であること。水深は1.5mまで。できれば砂浜や堤防でも干潮時に干上がるような釣り場が望ましいです。これはクランクベイトを底にタイトに引かなければ釣りが成立しないためです。
基本的な釣り方は投げて巻くだけ。このとき、クランクのリップが底にゴツゴツ当たる感覚があればOKです。巻くスピードは、その時々によって変えていきます。
ルアーで釣れる理由
ハゼクラでハゼがヒットする場合、スレ掛かりが多くなります。これはルアーをエサだと思っているのではなく、縄張り争いで仲間を攻撃しようとしているためだと言われています。そのため、付いているハリをバーブレスに交換しておくと、スレ掛かりでも刺さりが良くなりフッキング率が向上します。