ちょい投げハゼ釣りを科学する 型と数は釣り分け可能?【大阪・淀川】

ちょい投げハゼ釣りを科学する 型と数は釣り分け可能?【大阪・淀川】

朝夕涼しくなると、都市圏を流れる河川ではクリクリ目玉の愛嬌者・マハゼがサイズもよくなってくる。9月22日は大阪・西淀川区の姫島周辺に出かけてマハゼを狙ってみた。食いが渋いのか…と思いきやパターンを見つけると20cmに迫る良型まじりにハゼが連発した。

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(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)

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家族参加型のハゼ釣りイベント

当日はファミリーでのハゼ釣りイベント「うきまろファミリーフィッシングデー」が開催されていて、30組近い家族連れが参加して秋の一日をハゼ釣りで楽しんでいた。心配された雨も降らなかったが、前線の影響か北東の風が強く姫島周辺の河川敷は斜め前から吹く風が強い。涼しいのはいいのだが…。

波打ち際はその風波による濁りが発生しており、濁りを避けてその先に仕掛けを投入するのが定番だろうと思っていた。

シンプルな仕掛けで挑戦

当日の仕掛けはテンビンも使用せず、オモリに直結された自動ハリス止めにハリスを取り付けただけの、超シンプルな仕掛けを使った。エサはアオイソメだ。

ちょい投げハゼ釣りを科学する 型と数は釣り分け可能?【大阪・淀川】当日の仕掛け(作図:TSURINEWS関西編集部・松村)

この釣り場は、転石が多く、石の合間は砂利メインに砂底が点在する地形で、以前は砂底部分が多かったので適当に探ってもよく釣れたが、大雨による増水などの影響か、砂底部分が少なくなっている感じだ。

引きずると石が多い

オモリ着底後、少し引きずるとゴツゴツと石の感触が穂先を通して伝わり、根掛かりも多発する。多くは石にオモリが当たって、ちょっとだけ引っ掛かっているだけなので、軽くシャクれば外れる事が多い。ただ、そんな場所ではハゼは極端に少ないのが現状だ。

ちょい投げハゼ釣りを科学する 型と数は釣り分け可能?【大阪・淀川】当日の釣り場(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

軽いオモリで20mほど投げて、ゆっくりと探るが全くと言っていいくらいアタリがない。「もしかして、今年はこのエリアにハゼが居ない?」と思えたほど。

ウキ釣りとちょい投げの違い

周囲を見渡していると、5m前後のノベ竿(リールなし)でウキ釣りをしている人がハゼを連発で釣り上げたのが見えた。そこで、話を聞いてみると、波打ち際から5mほど先でアタリが多いとの事だ。

ここで、簡単にこの釣り場をイメージしてみた。ここは波打ち際から5mほど沖にカケアガリがあり、そのカケアガリにハゼが居るようだ。アタリの出ないチョイ投げと釣れているウキ釣りの大きな違いは…。

波打ち際と平行に探れる

ウキ釣りは川の流れに合わせて波打ち際と平行に仕掛けを流せる。つまりハゼがカケアガリに溜まっているなら、ハゼの溜まっているラインを流せる。逆にチョイ投げではオモリが付いているので、横への仕掛け移動はできず、手前へ寄せてくるのが通常の誘いとなる。

仕掛けが軽くハゼがエサを離さない

ウキ釣りは流れに乗せて自然に広く探る事ができる。その上で仕掛けが軽く食いついたハゼがエサを離さない。オモリが付いているとどうしても食いの渋いハゼが食いついた瞬間にオモリを感じてエサを離してしまう。

ロングハリス作戦は失敗

自然に仕掛けが動いた方がいいなら、ハリスを長めに取って、オモリを遠ざけてみる価値はある。そこで、ハリスを15cmほどにして、ハリも競技用のキスバリ(小バリ)7号に変更して探ってみた。

結果は、時折アタリらしきものはあるが、エサが少しかじられた程度でハゼではない様子。フグか小チヌか…と言った感じだ。と言う事でハリスを長く取る作戦は失敗。

狭い砂泥底エリアを発見

そこで、もう1度じっくりと底を感じ直す事にした。ごくゆっくりと引いては止めていると、ゴツゴツとした砂利底の中に、ほんの少しズルッと砂か泥の上をオモリが引きずったような感触の場所があるのを発見。

もしかすると、アタリの出る(=ハゼが居る)砂底部分が非常に狭いエリアに限られていて、そこに仕掛けが入った時だけ釣れるのでは…。感じたイメージでは砂底部分は引きずる距離にして30cmほどの狭いエリアだ。

ショートハリスでピンスポット狙い

試しに砂底を探るべく、神経を集中してオモリを引きずってみる。オモリとエサが離れると、きっちりと狙ったピンポイントにエサを置けないのでハリスは10cm程度に短くしてみた。神経を集中して砂底を探っていると、ココッと小さなエサ取りのような反応が出た。が、全くハリには掛からない。

そこからさらに引きずると、ズルズルッと探していた砂底エリアを発見した。足元からの距離で言えば、まさに5mほど沖である。あまり引きずると、すぐに砂底エリアを通過してしまうので、試しにここで待ってみた。

初めての明確なアタリ

軽くラインを張ってジッと待っていると、明確にコンッ。そしてグググッと力強く竿先を引き込むアタリにかわった。この日初めての明確なアタリだ。軽くアワせて巻き上げると15cmほどのマハゼが姿を現した。苦労した分、うれしい1尾だ。

ちょい投げハゼ釣りを科学する 型と数は釣り分け可能?【大阪・淀川】ようやく釣れた1尾(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

砂底エリアで17cm超

では、次の段階。少し場所をかえて、同じ状況を再現させる事ができるかどうか…である。10mほど移動して軽く投入して、砂底を探すが、どうもその前には砂底らしき感触がない。そうか、釣れる場所がある程度決まっているのか…。

そこで、元に戻ってハゼが釣れた全く同じ場所に仕掛けを投入。少し引きずってくると、先ほどと同じような砂底エリアに差し掛かり、これも先ほどと同じようにエサ取りらしきアタリが出た。で、砂底に仕掛けを止めて待つ。15秒、30秒…1分が経過しようとした時に、今度は目の覚めるような大きなアタリがきた。

なんと、これは17cmを超す丸々と肥えた良型のハゼだ。楽し過ぎる!居るところには居る。ウキ釣りで連発して釣れていたのも、このようなハゼが居るエリアに仕掛けを入れる事ができたからに違いない。

イベント参加の家族に釣って貰う

こうなれば、もっと探りを入れて、ここぞと思うポイントで粘るべし…。ただ、この日はイベントで家族連れが多く、思うようにどこでも竿を振れるという訳にはいかない。

そこで、「釣れてないんです」と言うご家族に釣って貰い、ここまで自分で見つけてきたパターンが通用するかどうかを試してみる事にした。そのご家族の竿、仕掛けを借りて、軽く振り込む。「エッ、そんな近くでいいんですか」と驚くのも当然、私も最初は手前に濁りがあるので沖狙いをしていたくらいだ。

で、そのまま集中して引きずってくると、砂底らしきエリアを発見した。そこで、ジッと待つ。するとやはり…。ブルルンと良型のハゼが食いついてきた。完璧である。

ちょい投げハゼ釣りを科学する 型と数は釣り分け可能?【大阪・淀川】良型ハゼをゲット(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

型と数は釣り分けられる?

分かったのは、この釣り方で釣れるハゼはかなりの良型揃いである事。キスなどもそうだが、本来砂底に潜む魚でも、石や磯場が点在するエリアでは良型が多い。まさにそんなイメージである。

イベントを見て回っていると、数を釣っている人は12、13cmの小型が多い、これはおそらく釣り座の前が広い砂泥底になっていて、釣れる範囲も広いので数が釣れるかわりに良型が少ないのだろう。

と言う事は、ハゼは数と型を釣り分ける事ができると言う事だ。次は完全なる釣り分けができるかどうかを徹底的に試してみたい。その報告はまた後日に!

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>

▼この釣り場について
淀川河川敷姫島地区
所在地:大阪市西淀川区姫島