ルアー釣りをしていると誰しも一度は「自作ルアーで魚を釣ってみたい」と考えてしまうのではないだろうか?今回は著者が以前で作った渓流用ミノーの制作過程を紹介する。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・奈良鱒兵衛)
ルアー自作のきっかけ
子どものころから物作りは大好きで、小学生の夏休みの工作や中学生のころには、見よう見まねでブラックバスをターゲットとしたルアーを作ったことがある。ただ、実際にこれらで魚を釣り上げた記憶はない。
それから随分と時間が過ぎ、トラウトルアーにはまりだしたころ、再び自分で作ったルアーでトラウトを釣り上げたいと思い、ハンドメイドルアー作りに挑戦することにした。今回はこれらの作業を、ざっくりとであるが紹介したい。
使用する材料と道具
まずは必要な材料の調達だ。
メイン素材のバルサ板にフレームとなるステンレス製の棒、それにウエイトだ。さらにリップに使うポリカーボネイトの板にコーティング材など、必要なものがたくさんあるが、ほとんどが大型釣具店で揃えることができる。
使用する工具も色々とあるが、私は少しプラモデルを趣味にしていることもあり、作業工程で必要な工具類はほぼ揃っていた。ざっと紹介すると、
・カッターナイフ
・彫刻刀
・ニッパー
・プライヤー
・ポンチ
・ノギス
・ドリル
・ルーター
・エアブラシ
・サンドペーパー
である。
成形
まずはイメージした形をノートにスケッチして、同じサイズを量産するためプラ板に断面を書き写す。
これをベースに薄いバルサの板に同じ物を二つ書き写して、これらを工作用のジグソーやカッターで少し大きめに切り抜く。
切り抜いた物を両面テープで張り合わせ、大まかにナイフで削り出して形を整えていく。
次に目の荒いサンドペーパーで削ってイメージの形に近づけ、続いて目の細かいサンドペーパーで仕上げにかかる。バルサは加工しやすいがその反面削りすぎには少し注意がいる。この辺りの作業で何となくルアービルダーになった気分にもなれる(笑)。
アイやウェイトをセッティング
次にプライヤーなどでステンレス棒を使い、ルアーのサイズに合わせたフレームやアイを作る。
先ほどの張り合わせたバルサを再びはがして、フレームが入る位置とウエイトが入る場所を、彫刻刀やルーターを使って作る。そしてフレームとウエイトをセットして瞬間接着剤で張り合わせると、ほぼベースの完成だ。
ここでもう一度ペーパーをかけてから、コーティング材にドブ漬け。乾くのに時間がかかるので気長にやろう。ドブ漬けは2度、3度と繰り返すが、頭から浸けると次は尾の方からといった具合に、交互にしないとコーティングの厚みが片寄るので注意。
塗装
下地ができると、次はアルミハクの貼り付けだ。プロのビルダーの方の作品をよく見ると、この作業で顔をリアルに作ったり鱗の表現を作り出したりと見事だ。私も色々と顔の表情を作ってみたり、タバコの中紙を使って鱗を表現したりしたが、この工程はなかなか難しかった。
何とかアルミを張れば更にコーティング材にドブ漬けを繰り返して、いよいよ塗装だ。プラモデルで使っている塗料をエアブラシで吹いた。好きなアカキンやチャートカラーなどもそれなりに塗装ができて、やっぱり楽しい。型紙をパーマークの形に切り抜き、これをルアーにかぶせて吹き付けるとヤマメカラーもできてしまう。
私は筆で目を書くのがどうも苦手である。なので、塗装が終わったところで目が入る位置をポンチなどで切り抜き、ここに市販の目を入れるようにした。
コーティング
この後、しっかりと乾かしてからコーティングするのだが、塗料とコーティング材の相性があり、きちんと調べて使い分けないといけない。せっかく綺麗に塗装しても、コーティング材を塗ると塗装がだら~っと流れてしまうこともあるのだ。
もう一つ気付いたのは、コーティングを重ねると光沢と強度も上がるが、思った以上に重たくなるということ。3gほどのシンキングミノーをイメージして作っても、大体がヘビーシンキングミノーになっているのだ。
コーティングが終ればアイに着いたバリを取り除き、リップを作る。リップを付ける位置に印をして、カッターナイフやルーターで削り出し、接着剤で接着。最後にスプリットリングとフックを付けて完成だ。
最後に、大切なスイムテストだ。私は早く試したくてお風呂場で試したが、これが想像以上にいい動きをして感動した。後は現場でアイの調整をして真っ直ぐ泳ぐようにすれば、釣りになるはず。