伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「端境期に効くグルダンゴ」。ダンゴとグルテンの混合エサのことだが、なぜか春と秋の季節の変わり目で、このエサ使いが活躍する場面が増える。伊藤もこのエサを多用するらしい。今回はグルダンゴを使って釣況が改善した時の体験談を聞かせてもらおう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
グルダンゴをすすめる理由
伊藤さんイチ押しのグルダンゴですけど、それはやはり経験からの話ですよね。たとえば以前にこのエサでいい釣りをしたことがある。ゆえにほかの人にもすすめたい?
「そりゃあそうでしょう。使ったこともないエサを人にすすめようがないからね(笑)」
すべてとは言いませんから、その経験談をお話しいただけますか?
「そうだなぁ。強烈に印象として残っているのが、河口湖での底釣りだね」
と言うと、大型狙いですよね。あそこの魚はエサさえハリに付いていればいいのでは?
「それは過去の話。今は釣り人も増えてかなり攻められているから、一筋縄ではいかなくなってきているよ」
つまり、魚がエサを選ぶと?
「それもそうだし、高活性の釣りばかりではなくなってきていると強く感じてるよ」
つまり河口湖のヘラであっても、場合によっては食い渋ると?
「野のヘラが食い渋ったら、そもそもエサなんて追わないと思うんだよね。だから正確には食い渋りではない。ところが、エサのタッチを軟らかくした途端に反応がよくなったことがあったんだ」
それは両ダンゴで?
「そう。でも知ってのとおり河口湖は波や流れが発生しやすいから、軟らかくしたぶんだけエサ持ちが悪くなる。それを補うにはどうしたらいいのかと考えた時、まっ先に思い浮かんだのがグルダンゴだったんだ」
河口湖での体験
その時は、新たにグルダンゴを作り直したのですか?
「いや、その時は『凄グル』単品を作って、今まで使っていたダンゴと合体させただけ」
それはやはり春の時期ですか?
「季節的には4月中旬だったと思うけど、標高の高い河口湖では、平地で言うところの早春に該当するよね」
つまり端境期に近いということですね?
「そうなるかもしれないね。盛期の河口湖だと通常は両ダンゴや両マッシュがメインだけど、シーズン初期はグルテンセットや両グルテンのほうが圧倒的に強い。だからその中間に近かったのかもしれない」
グルダンゴにして釣況は改善した?
「自分でも驚くほどによくなったよ」
グルダンゴでエサ持ちアップ
それはエサ持ちがよくなったからですか?
「断定はできないけど、おそらくそうだろうね。現にグルダンゴに替えた途端に空振りが減ったからね」
グルテンと合体させてエサのタッチが硬くなりませんか?
その時は軟らかいままのダンゴエサをそのままグルテンと合体させて、強く混ぜなかった(練り込まない)から、タッチはそれほど変わってないと思うよ」
粉の段階から混ぜてグルダンゴにしようと思わなかった?
「ダンゴが手元に余ってたから。とりあえず使ってしまおうって(笑)」
なるほど。エサをムダにしないってことですよね。けちんぼな私がよくやる手段です(笑)。それにしてもグルテン繊維の恩恵って、時に抜群な効果をもたらすことがあるのですね。
「そういうことになるよね。しかもダンゴが混ざっているから、ある程度の集魚力もある。それとね、実はもう一つ理由があると感じていんのだけど」
エサの比重も変わる
それは?
「比重だよ。グルテンを合体させたことで、両ダンゴ単品の時よりもエサが軽くなっている。ゆえに着底した時のエサの状態が、少なからず変わっていると思うんだ。たとえば、ウキには現れないけど底に短い草とかがあって、エサの潜り方が変わったとかね」
つまり食べにくかったエサの状態が、軽くなったことで食べやすくなったと?
「そういう可能性もあるのかなって」
次回も「端境期に効くグルダンゴ」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>