船釣り、特に電動リールを使用する時に必ず要るのが電源だ。船釣りの場合は船に電動配線が設備されている場合も多いが、出来ればバッテリーは持参する事をオススメする。その理由と、種類やメンテナンスなどを紹介。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
電動リールの電圧
一般に家庭用コンセントで流す電圧は100Vで、アンペア数としては15Aまでが普通だ。対して、電動リール用の電源はそのリールの大きさ(規格)により大きく2つに分かれる。
通常、よく使われる中、小型電動リールで12V、深海用などの大型電動リールで24Vの規格が採用されているが、汎用範囲が圧倒的に広いのは12V。24Vは特殊な電動リールと言える。
バッテリーの種類
さて、同じ電動リールを使っても、バッテリーの性能により、電動リールの性能を引き出せるかどうかが分かれるのを覚えておきたい。たとえば、電圧が低ければ、それだけ最大能力を出し切れない事も多い。
まずは、鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーの違いについて説明したい。
鉛バッテリー
鉛バッテリー最大の特長はかなり廉価版が市販されていて、安価に入手できる点だろう。セールなどでは4000円台で購入できる事もある。
最大のデメリットとしては、自重が重たい事。重たい分、運搬が大変なので電車釣行などには向かないだろう。そして、バッテリーは繰り返し充電をする事になるが、これはリチウムイオンバッテリーに比べて、繰り返し充電できる回数が少ないのが普通だ。
リチウムイオンバッテリー
リチウムイオンバッテリーの利点は、まず計量である事。いろいろな形式のバッテリーがあるが、筆者の使用しているバッテリーで見ると、鉛バッテリーの1/4から1/3程度の重量におさまる。
また、繰り返し充電できる回数も鉛バッテリーに比べるとかなり多い。
ただし、何と言っても高価である。高級なリチウムイオンバッテリーになると、電動リールよりもはるかに高価なものもある。
ちなみに価格を決定する大きな要因は、その出力の差である事が多い。たとえば、一般に市販されている電動リール用バッテリーの出力としては、3~11ah(アンペア)前後が多くなるが、その数値が大きくなるほど、大容量となり、その分、高価になる。これは携帯電話用に発売されているモバイルバッテリーの価格差と同じイメージで良いだろう。
現在、筆者は10ahのバッテリーを使用しているが、その容量だと、丸1日電動で使っても、全体の1/5も消費しないくらいである。まず、バッテリーを選ぶ時は、その容量と価格帯との相談になるハズだ。
バッテリーの機能について
バッテリーに搭載されている機能もその価格に影響を与える。機能については使用する釣り人が必要かどうかを判断して貰えればいいので、いくつかの機能を紹介しておきたい。
残量が分かる
特にリチウムイオンバッテリーには良く付いている機能の一つに、バッテリーの残量が一目で分かるランプが付いている物がある。これはバッテリーによっても違うが、満タンでランプが5つ点灯し、減っていくごとにランプが消えていく仕組み。
このランプを利用して、充電中は点滅し、充電が完了すると全てが消える・・・と言った判断材料になる。逆にランプ等がないタイプに付いては、あくまでの自分の中のイメージで「かなり使っているので減っているであろう」といった判断や、充電時もある程度の時間概念で充電を完了させる必要がある。
電極の形
電動リール配線のプラス側をバッテリーのプラス電極に、マイナス側をマイナスの電極に繋いで使うものだが、多くの場合は電極は1つのツマミを付けると埋まってしまう。そのため、複数の電動リールを繋ぎにくかったり、探検丸などの別の機器を繋ぎたい時に不便を感じる事がある。
基本的に複数の電源を必要とする時には、電極に複数のツマミを挟めるような大きさのあるバッテリーもあるので参考にして欲しい。
防水機能
海で使用する限りは、水を被る事も多い。まして、バッテリーは足元に置いたりもするので、よく海水を被ってしまう。完全防水のタイプはほとんどないが、多くは生活防水程度の機能は付いているので、海水を少し被るくらいなら問題ない。
気を付けたいのは電極の錆である。高価なバッテリーの中には防錆加工をしていて、それほど気にならない物もあるが、通常は使用後に放っておくとすぐに電極に錆が出てくる。これを放っておくと通電しなくなるので、使用後はしっかりと塩分を取り除いて乾燥させておきたい。