【西日本編】8月に旬を迎える美味しい海の幸5選 カツオの旬は2回?

【西日本編】8月に旬を迎える美味しい海の幸5選 カツオの旬は2回?

日本は四方を海に囲まれた島国であり、季節や場所によってスーパーに並ぶ魚介類も様々だ。今回は、8月に旬を迎える西日本のサカナを紹介します。

(アイキャッチ画像作成:TSURINEWS編集部)

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8月の関西地方の旬『タチウオ』

キラキラとまるで光り輝く剣のような見た目の「タチウオ」。

みかんのイメージの強い和歌山県ですが、実は“タチウオの漁獲量日本一”としても知られています。

地元ではその味わい方もいろいろ。

タチウオと言えば「刺し身」か「焼き魚」と思われがちですが、まだまだ知られていない和歌山ならではの食べ方が存在します。

【西日本編】8月に旬を迎える美味しい海の幸5選 カツオの旬は2回?タチウオ(出典:PhotoAC)

和歌山での代表的な食べ方

タチウオをあまり食べる習慣がない地域では、タチウオは焼き魚やお刺身などが代表的かとお思います。

しかし、本場の和歌山では、タチウオを「うな重」かのようにして食べる【タチ重】という料理があります。

うなぎと比べ身はあっさりながらも、少し濃いめの甘辛いたれや山椒との相性は最高。

タチウオの淡白なイメージを覆してくれる一品になること間違いなし!

8月の四国地方の旬『カツオ』

カツオは太平洋から黒潮の流れとともに、春に北上し、秋になると水温が低下するにつれまた南海へと戻ります。

カツオには、北上するカツオを「初鰹」、南下するカツオは「戻り鰹」と呼ばれ、旬が2回ある珍しいサカナです。栄養豊富な海域でたっぷりと餌を食べてから来遊してくるため、身に脂がしっかりとのっているのが特徴です。

8月は「戻りガツオ」が獲れ始める時期で、初鰹と比べると蓄えている脂肪の量が実に10倍とも言われ、もっちりとしたトロのような食感を楽しむことができます。

【西日本編】8月に旬を迎える美味しい海の幸5選 カツオの旬は2回?カツオ(出典:PhotoAC)

地方での代表的な食べ方

全国各地で食べることができる【鰹のたたき】ですが、四国の高知県で食べると格別の美味しさと言われています。

高知の鰹は一本釣りで1尾1尾釣り上げるため、傷が付きにくく、身が傷み難いことも特徴のひとつです。

また、漁場が近いことから、水揚げ後の処理も早く行われるので、身はとっても柔らかく上質な状態で食べることができます。

釣り方、処理方法が鰹を最高の状態でキープして、私達の口へ運ばれます。高知に訪れた際は、必ず食べなければいけない一品と言えます。

8月の中国地方の旬『ケンサキイカ』

ケンサキイカは漢字では「剣先烏賊」と書き、タチウオと同じように剣の先のように細長い形をしています。

九州西岸から日本海西部を中心に分布しています。見た目は赤褐色をしており「アカイカ」、または「マイカ」とも呼ばれています。

地方での代表的な食べ方

新鮮なケンサキイカは、何より【刺身】がおすすめです。透明な身を食べると口の中に甘みが広がります。

その他にも天ぷらなどもおすすめですが、新鮮な物を食べるのなら【刺身】以外の選択肢はないと言ってもいでしょう。

ケンサキイカは【スルメ】にしても美味しく、最高級品とされ、剣先イカで作るするめを「一番するめ」といい、するめイカで作るするめは「二番するめ」と呼ばれています。

【西日本編】8月に旬を迎える美味しい海の幸5選 カツオの旬は2回?刺し身(出典:PhotoAC)

8月の九州地方の旬『アカウニ』

九州沿岸しかも西側に生息する温帯性のウニです。

普段、私たちに馴染みのあるウニはムラサキウニやバフンウニですが、九州外にはめったに出回ることがないことから、東日本では幻のウニと呼ばれています。

一年のうち漁期は3ヶ月余りしかなく、 また、最も美味しい時期は15日程しかないというごく短い期間限定の味です。

この時期に訪れたのなら、必ず食べなおきたい食材のひとつです。

地方での代表的な食べ方

ウニの産地だからこその食べ方といえば、やはり【生ウニ】。

ご飯の上にこれでもかと乗せて、醤油を少しかけて食べれば、口の中はウニ本来の甘みと、九州の海の香りが口いっぱいに広がります。

他のウニよりも甘みが強く、このウニを食べたらもう他のウニには戻れなくなるはずです。

通年で食べれる食材ではないので、少し高価になってしまいますが、食べて後悔はしないでしょう。

【西日本編】8月に旬を迎える美味しい海の幸5選 カツオの旬は2回?生ウニ(出典:PhotoAC)

8月の沖縄地方の旬『メカジキ』

関東ではあまり見かけないサカナである「メカジキ」。

沖縄では割とメジャーであり、頭部には一本の長いツノが生えていることが特徴です。

たまに、「漁の最中に」あるいは「レジャーフィッシング中に」運悪くツノが刺さった話を聞きますが、これは本来、イワシなどの魚の集団に突進して「かき回す」為のものだそうです。

このツノに触れた魚は弱って群れからこぼれ、そこを捕食するのだとか。非常に知能の高いサカナだと言われています。

また、一匹のメカジキから取れる刺身の量は1000人分を超えることもあるようです。

地方での代表的な食べ方

メカジキの魅力はなんといっても、脂身の旨さ。マグロのトロとはまた違った旨味があるのだとか。

また、大型魚にしては筋(すじ)が少なく、尻尾の先までたべられます。

特に、水揚げしてすぐの、鮮度がいい【刺し身】は絶品。釣り上げてから冷凍しないため、水分が抜けず、しっとりとした舌触りと、口どけの良い油が口の中いっぱいに広がります。

【西日本編】8月に旬を迎える美味しい海の幸5選 カツオの旬は2回?カジキのお刺身(出典:PhotoAC)

今月も日本の豊かな海に感謝して、美味しい魚介類を頂きましょう♪

<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>