千葉県我孫子市北新田にある青山落し(利根川に通じる排水路)の青山水門下流は、利根川から乗っ込んできたコイの群れで真っ黒。これらは、ひと雨降れば水門の段差を乗り越えて上流に移動するものと思われる。ブロック下の流れのなかには乗っ込み予備軍がいるのでこちらを狙ってみた。
のべ竿でコイ狙い
リールを使ったウキ釣りでもいいが、強烈な引きを味わうには、やはりのべ竿が面白い。釣れるのは50~60cmクラスが多く、3尾も釣れば腕が痛くなるほどだ。
そこで、初夏のような陽気となった4月下旬に朝から出かけた。7時過ぎに現地到着。根固めブロック下流のトロ流れに群れる魚を狙う。
当日のタックル
タックルは硬調子渓流竿4.5mにミチイト1号を竿いっぱいに結び、ハリス0.8号7cm、フナバリ5号をチチワで接続したウキ釣り。ウキは軸付きセル玉8mmをゴム管止めした下に中通しセル玉5mmを1個付け、親ウキの頭が水面スレスレになるよう板オモリで浮力を調整。
エサは”エサつけ楽チンかんたんポイッ”がキャッチフレーズの、みんなのたんすい釣りエサセット「楽(らく)ポイッ」を使用。上バリには緑色の粒の寄せエサをつけ、下バリには黄色の粒の食わせエサを付ける。
58cmの黄金色のコイ
ポイントの水深は60cmで、ゆっくりと流れている。ウキ下を底に合わせてコイが群れている1mぐらい上流にエサを静かに投入、自然に流す。3流し目に親ウキを消し込むがスレ掛かりで、大きなウロコが2枚付いてきた。
続けて、水中ウキを左右に動かす小さなアタリにアワセを入れると、ミチイトがピューピュー鳴って竿は弓なり状態。竿先がコツン、コツンと強く引かれ、水中で魚が暴れている様子が手元に伝わる。
しばらくためて、やりとりすると、大きな魚体が水面に浮上してきた。タマ網の枠が魚より小さく、頭から入れないとバラしてしまう。取り込むまで気を抜けない。
魚に十分空気を吸わせ、弱らせてから水面を滑らせるようにゆっくり誘導。何とかキャッチすることに成功。
両手で持ち上げるとかなりの重量。計測すると58cmあり、利根川本流育ちの細長く身が引き締まった黄金色の魚体が美しい。
最終釣果は合計3尾
このあと、群れを見つけて正午まで釣り、53~55cmを2尾追釣して納竿。細仕掛けで大物の引きを味わうことができて満足。
今年は乗っ込みが遅れているので今後、1カ月ぐらいは順次、遡上してくるものと思われる。
魚影が濃く、50~60cmのコイの入れ食いも夢ではない。なお、このポイントが不調の場合は水門上流のゴムセキ下もいい。ここも乗っ込んできた魚の溜り場となるほか、今後の着き場になっている。
<週刊つりニュース関東版 APC・岩井一彦/TSURINEWS編>
千葉県利根川青山水門付近