釣りを楽しむならば、ラインが無くては始まらない。著者は渓流釣りメインの釣り師だが、渓流を始め淡水での釣りで使用されるラインは、非常に細いものが多い。では、このラインの限界値というものは、一体どうなっているのだろうか。今回は、渓流・川釣りなど、淡水での釣りで使用されるラインの太さ・限界について考察してみようと思う。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)
淡水釣りのライン(釣り糸)
淡水域での釣りの場合、自身が動くことで対応する(水深2m程度までの)浅場狙いと、海のように深場を攻める釣りに分けられる。前者は渓流釣りやアユ、タナゴ、オイカワ、カジカなどを狙う釣り。後者は湖でワカサギやバスを狙ったり、河川の中流域でコイを狙う場合などが該当する。
浅場での釣りは延べ竿を使用する機会が圧倒的に多く、それに見合ったラインである「天井糸」と「水中糸」を使用することになるのだが、この水中糸は他の釣りに比べて圧倒的に細い。ではこれらのラインの「太さ/号数」は、どうやって決めるべきなのか。その答えを知るには、ラインの限界を決めるであろう、様々な要素を丁寧に考えていく必要がある。
ラインの限界を決める要素
ラインのラベルには、「この号数の限界は~cmまで」といった明確な基準は記載されていない。これは、様々な要素が絡み合って限界が決まるからだ。まずは、その要素を一つずつみていこう。
水温
渓流の解禁初期は、雪の影響で水温が著しく低い。魚の動きはひどく鈍く、当然引きも盛期に比べて弱々しい。そのため、案外細い号数で良型が釣れることもある。逆に適水温期は魚が元気なので引きが強くなり、ラインが細いと心細くなる。

水流
川で釣りをする場合は、やはり川の流れ=水流を考慮すべきだろう。本流のように水量豊富で水流が強い場合、魚の重さに水の重さがプラスされるので、数ランク太いラインを使用する方が安全だ。渓流釣りも然りで、掛かった獲物が流心に入ってしまうと、いとも簡単に切れてしまう事がある。そのため、魚の動きをある程度コントロールできる太さが求められる。
魚種による違い
体型や生態・生息環境により、サイズの割に引きが強い魚がいる。これは非常に重要なファクターで、渓魚のように川を遡行する魚を狙う場合は注意しておきたい。
釣り場環境
これは魚種とも深い関わりがある要素だ。水は澄んでいるのか濁っているのか。底は荒いのか、砂地なのか。先に挙げた水流も勿論含まれる。渓流やアユ釣りの場合はアングラー自身が動き回る機会も多いので、取り込みが容易な場所か否かも考慮すべきだろう。

劣化度合い
渓流釣りの場合、他に類を見ない細さのラインを使用するため、少しの劣化が悲劇を招く。購入した直後なのに、引っ張ったらプチプチ切れる…なんて事もある。仕掛けを作る前に必ずチェックしておこう。
使用タックル
延べ竿を用いるのか、リール竿を使用するのかによって、ラインの太さは大きく変わる。腰・胴回りが強い延べ竿なら非常にタメが効くので、細糸であってもなんとかなるケースもあるし、リールを使用するならドラグを活かす事もできる。これらを複合的にみていきたい所だ。