釣りを楽しむならば、ラインが無くては始まらない。著者は渓流釣りメインの釣り師だが、渓流を始め淡水での釣りで使用されるラインは、非常に細いものが多い。では、このラインの限界値というものは、一体どうなっているのだろうか。今回は、渓流・川釣りなど、淡水での釣りで使用されるラインの太さ・限界について考察してみようと思う。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)
著者の経験
ではこれらを踏まえて、これまで様々な釣りを嗜んできた著者の経験を紹介していきたい。ここに記載している太さは、水中糸がメインとなっている。
0.15号~0.4号の世界
解禁間もない渓流で、延べ竿を用いたエサ釣りでアマゴを狙う場合、0.2号で23cmくらいまでなら問題なく取り込める。だが4月になると渓魚達が一気に活発になるので、20cmクラスでも0.2号ラインを切られることがある。これが0.3号になると一気に安心感は増し、4月半ばに29cmクラスの取り込みに成功している。
ところが5月になると、さらに活発化する上に良型が流心で頻繁にかかるようになり、0.3号ではいともたやすく切られる機会も多い。尺を狙いたい著者は5月頃から0.4号としており、0.5号も視野に入れている。

0.6号~1.5号の世界
渓流釣りではこの号数を使用する事はほぼ無いが、源流や本流となると話は別。源流で尺クラスのイワナ、本流でアマゴ(サツキマス)やヤマメ(サクラマス)を狙う場合は、この号数がメインという釣り師も多い。
著者は4.5mの安い延べ竿+0.8号通しで45cmのコイを釣った事があるが、この辺りはやはり魚種による違いを実感せざるを得ない。
1.5号~3号の世界
本流で巨大なニジマスやブラウントラウトを狙う場合は、この号数がメインという釣り師が多いのではないだろうか。60cm、時に70cmクラスも掛かるため、もっと太い糸を…と考えがちだが、比較的透明度の高い河川で、より自然にエサを流して警戒させないようにするには、これ以上太いとラインはコントロールし辛いのだ。そこで、パワーのある長尺の本流竿とテクニックを駆使することで大物を釣りあげるのが「本流釣り」だ。
4号以上の世界
濁りの強い河川中流域~下流粋で、コイやナマズを狙うなら太糸+中・大型リールのタックルとなる。目が悪い彼らの場合は、警戒心を考えるよりも確実に取り込めることを考慮したいためにこのようなセッティングになる。著者は学生だった頃、4000番のリールに5号ナイロンライン+柔らか目の投げ竿を用いて、近所の川で80cm~1mクラスの鯉や60cmクラスのナマズをよく釣っていた。

ちなみに1mを超えるコイの場合、5号では流石に厳しかったという事実を記憶している。ハクレンやソウギョ、メーター越えの巨鯉といった大物を狙う方々は、8号~12号程度の太糸を使用しているようだ。
環境や魚種が多大な影響を与える
こうしてみると、狙う時期や場所、魚種によって、ラインの太さを決定すべきであるという事がご理解いただけただろうか。
本当の事を言うと、使用するエサ・針・リールのドラグ性能や竿の長さ・延べ竿の調子にまで言及したいレベルなのだが、正直そこまでこだわらなくても何とかなってしまうのもまた、釣りの面白さの一つだろう。だがもし「今より1ランク、ラインの太さを変えるとどうなる?」と興味を持って頂けたなら…。その瞬間、きっと釣りという趣味がより一層楽しくなるはずだ。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>