志摩沖の中深海ジギングで良型クロムツが連発!【へいみつ丸】ステイパターンが的中

志摩沖の中深海ジギングで良型クロムツが連発!【へいみつ丸】ステイパターンが的中

数年ぶりに紀伊半島へサンマが南下し、熊野灘から志摩沖にかけて海が一気に騒がしくなった。逃げ惑うサンマと、それを追って水面を割るキハダの目撃情報が相次ぐなか、志摩沖で中深海ジギングに挑戦。潮の速さやベイトの状況に翻弄されつつも、ジグ操作を工夫してムツを引き出し、終盤には鳥山とキハダの水柱に遭遇する展開となった。

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(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)

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田中耕二

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紀伊半島にサンマ到来

数年ぶりに紀伊半島にサンマが南下してきた。12月6日は志摩沖の中深海ジギングを予約していたが、1週間ほど前から熊野灘で逃げるサンマと、それを追って水面を割るキハダの話題が持ち切りだった。前日には、近海にまでキハダの水柱が確認されたようだ。

中深海ジギングには微妙?

海に活気が戻るのは喜ばしいが、深場をじっくり攻める中深海ジギングには厳しい状況だ。沖の潮が強く押し付けるとラインが取られ、ジグが流されて釣りが成立しない。

また、黒潮の申し子ともいえるマグロがジグを引っ手繰り、リールからラインをすべて出されるケースもある。船長からの事前連絡にも「潮が速いと思うので、重いジグを持ってきてください」とあった。

へいみつ丸に乗船

深夜に船越港へ到着し、寝袋に潜り込む。早い潮をどう攻略するか考えながら、うつらうつらするこの時間がたまらなく好きだ。ただ、その至福のひとときを邪魔するように冷たい空気が入り込んでくる。やがて目覚ましが鳴り、準備を始めた。

吐く息は白い。この日お世話になったのは志摩のへいみつ丸。キャスティングでは超人気船で予約も困難だが、この時期は中深海やトンジギで出船している。船に乗り込むと夜露が凍っていた。寒いはずだ。

右舷胴の間に釣座を構え、6時半に河岸払い。太陽を左手に見ながら走るため、南下しているのが分かる。冷たい風を感じつつ、昇る朝日を待った。

志摩沖の中深海ジギングで良型クロムツが連発!【へいみつ丸】ステイパターンが的中水平線から朝日が昇る(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)

フィッシングスタート

最初のポイントは水深230mのゴロタ場。早い時間帯にクロムツが溜まりやすい場所だ。普段は300gから始めるが、この日は前日の潮を警戒し、400gのジグから入った。

ベイトがびっしり

船長によると、海面から40mまではカタクチイワシと思われるベイトがびっしり入っているという。いつマグロにジグを引っ手繰られてもおかしくない状況だったが、幸いにも襲撃はなく、無事にボトムへ到達。

糸フケが多いと感じたため、2ピッチ1ジャークで探る。懸念していた早い潮はなく、トロッと流れる理想的な状態だった。

反応あるも当たらず

期待は高まるが、バイトはない。周囲にもヒットはなく、反応はあるのに食ってこない嫌な展開が続く。

時合い逃す痛恨のミス

食わない原因を考えると、フォールがやや速い気がした。食い気があれば多少速くても反応するムツだが、この日は口を使わない。ジグ交換のため巻き上げた瞬間、「ベイト入ってきました」と船長の声。

慌てて320gのセミロングを投入したが、着底する頃にはポイントを外れ、回収の合図が出た。他のアングラーがムツを仕留めていただけに、痛恨のミスジャッジだった。

ハチビキ混じりにムツ登場

2流目はボトムタッチ後にロングジャークで探るとガツンとヒット。掛けた瞬間にドラグが滑り期待したが、上がってきたのは小型のハチビキ。決して不味い魚ではないが、釣り人には敬遠されがちな存在だ。

ムツ連発

タナを上げるとハチビキに捕まるため、リーフ型ジグでボトムべったりを刻むように攻めるとムツが連発。ただしサイズはやや小さく、バイトも遠い。小型ハチビキも多いため、ポイント移動となった。

志摩沖の中深海ジギングで良型クロムツが連発!【へいみつ丸】ステイパターンが的中朝はサイズが小さかった(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)

ランガン開始

次は水深280mにアタック。ムツやアカムツ、アラの実績があるポイントだが反応はない。船長によれば、ベイト反応がいつもより薄いらしく、実績ポイントを次々と回っていく。

岩盤帯ではジグロストも

岩盤底のポイントでは根掛かりが頻発。瀬を攻める以上仕方ないが、高価なジグを3本も失ったアングラーもおり、想像するだけで懐が寒くなる。下手をすればそれだけで渋沢さんが飛んでいく。

駆け上がりでムツ追加

水深300mからの駆け上がりで久々のバイトが出てムツを1尾追加。ただ、その後も午前中は1ポイント1チャンスすらない時間帯が続いた。

様々なジグやジャークを試す

普段はセミロングジグを多用する。この日もカラーやグローの有無、ジャークパターンを変えながら探ったが、どうにもハマらない。半ば諦め気味で、普段あまり使わないショートジグを試すことにした。

朝の時合いで隣のアングラーがショートジグで連発していたが、その後は反応がなかったため、意識的には避けていた。

ショートジグで誘う

水深270mの起伏あるポイント。5ozロッドに350gのジグをセットし、ボトムへ送る。着底後に早巻きで糸フケを取り、再度着底。ワンピッチ3回でロッドが戻り、慣性で進んだジグがフォールに入る。テンションを掛けながらティップを下げるが反応はない。

次はステイを試す。意図的にジグを止める釣りだ。船の上下動や深場の潮を受けるため、完全な静止ではないはずだが、これまでほとんどバイトのなかったパターンだった。それがこの日は当たった。

ステイで40cm級ムツがヒット

ジャーク後、ジグがフォールを始めたところでロッドを下げず、吊る状態を作る。数秒後、コンッと明確なアタリ。即フッキングし、巻きアワセを入れる。

これを怠ると高確率でフックオフするため、ステイの釣りでは必須だ。ゴツゴツした重量感を楽しみながら270mを回収し、40cm近い良型ムツをキャッチ。朝のムツより明らかに肥えていて旨そうだ。

志摩沖の中深海ジギングで良型クロムツが連発!【へいみつ丸】ステイパターンが的中このムツからパターンフィッシングが始まった(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)

ステイ的中で3連発!

次の流しでも同じパターンでヒット。しっかりフッキングすると力強く抵抗する。パターンを掴めた喜びが大きい。さらに次の流しでも連続ヒットし3連発。楽しすぎる展開だ。他のアングラーはバイトを得られていなかったが、連発モードに入ったため、船長が同じラインを流してくれた。

鳥山が出現

すると船長から「真正面、鳥の下に出た」とアナウンス。見ると2羽の鳥が上下に舞い、その下に大きな水柱が立つ。間違いなくキハダだ。

キャストタックルも持ち込んでいたが、ここは中深海ジギングの乗合船。勝手な行動はできない。距離的にも到底届かず、目線だけが鳥山に釘付けになる。やがて鳥の数が増え、雰囲気は最高潮となった。

志摩沖の中深海ジギングで良型クロムツが連発!【へいみつ丸】ステイパターンが的中絶好の天気の中、鳥山調査へ(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)

上の空で41cmムツ

「これを最後の流しにして、あの鳥山へ行きましょう」と船長。チャンス到来だが、気もそぞろでジャークとステイは雑だったはず。それでもパターンに入っていればバイトは出る。

ゴツンとアタリがあり、我に返って巻きアワセ。強烈な抵抗でハチビキかと思ったが、この引きは良型ムツだと確信。慎重かつ素早く巻き上げ、最長寸41cmをキャッチした。

志摩沖の中深海ジギングで良型クロムツが連発!【へいみつ丸】ステイパターンが的中ムツ41cmキャッチ(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)

今後の展望

回収中に鳥は散り、海は再び静かになった。帰路で鳥山周辺を探ったが反応はなく、そのまま帰港。

志摩沖の中深海ジギングで良型クロムツが連発!【へいみつ丸】ステイパターンが的中ムツが吐いたベイト(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)

この日、トンジギに出ていた僚船では、サンマを飛ばすキハダを何度も確認したという。今後は中深海ジギングに加え、トンジギやサンマパターンのキャスティングにも期待が持てそうだ。

志摩沖の中深海ジギングで良型クロムツが連発!【へいみつ丸】ステイパターンが的中ムツ7匹とハチビキ(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)

 

<田中こうじ/TSURINEWSライター>

▼この釣り船について
へいみつ丸
出船場所:へいみつ丸乗船場

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