12月になると関東でもさすがに寒い。の、はずだが、最近はとてつもなく寒いと思ったら翌日は暑いくらいの気温になる。そんなふうに年々気候がおかしくなっているが、こうなると河川のシーバスフィッシングにも多少の影響がある。そう、水温だ。日中と夜間の水温の上下が激しく、非常に釣りにくい。だが、この記事ではそんな釣りにくい河川のシーバスに挑んだ一部始終を、釣行記と共にお届けしよう。冬の低水温でもサイズと数、両方を狙える釣りを見てほしい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)
冬の村田川でシーバスゲーム
11月2日(大潮)まだ少し明るいうちに冬の村田川へ入る。中流域から本日は上流へ釣り歩く予定だ。気温は12月にしては暖かく、昼間はコートがいらないくらいだ。こうなると水温も18℃近くになる。水中ではベイトが元気に泳ぎ回っているが、肝心のシーバスはいない。いや、正確にはいても水がクリアなためにルアーを見切ってしまうのだろう。たまに水面近くまで浮いてくるが、元気もやる気もないようだ。
そんな中、さっそくバイブレーションの早巻きと、フローティングミノーをジャークしてみるも反応はない。少し濁ればボトムにチャンスがあるかと思ったが、残念ながらこの日はクリアな水質で、明るい時間帯には何も釣れなかった。やはり冬は水がクリアになり、全体的に浅い村田川では日中の釣りは厳しい。デイゲームは今後の課題にして、あらためて挑戦しようと思う。
ボトムを流して30cmシーバス
暗くなり肌寒くなってくると、水温も13℃前後まで下がるのでベイトも静かになる。ここでやや上流の橋脚下へ入る。すぐ上をJRが走るので、かなりの騒音だがなぜか釣れる不思議な場所だ。橋脚付近を流れを利用し、上流へ投げて下流へバイブレーションルアールアーをゆっくり巻く。竿を立ててボトム(底)を流れに流されるように巻く。
重い鉛のルアーが川の流れで本当に流れるのか?と思うかもしれないが、コツは「糸に流れを当てて流す」これだ。そうすると、流れで引っ張られるのを手元に感じることができる。後はブルブルと感じないように、流れに合わせてスローにリールを巻くだけ。すると、ついばむようなアタリがくる。すぐに合わせて釣れてきたのは、30cm級のシーバス。
63cmシーバスを追加!
さらに、対岸の浅い場所から少し深くなる場所(ブレイク)付近を流していると、小さいアタリがきた!これもすぐに合わせると、弱々しい引きが伝わるが、すぐに強烈に暴れだした。油断させておいてこれだから面白い。上がってきたのは、63cmの満足サイズのシーバスだ。
その後、流れが弱まるとアタリも止まり、最後に再び流れが早くなり、30cm級を追加して本日の釣行を終了とした。この時期に60cm級を含め、3匹のシーバスを釣り上げたのは嬉しいかぎりだ。
ポイントは「流れ」にアリ
さて、本日の釣果のポイントをおさらいしてみると、「流れ」と「ボトム」にある。流れが出ないと流すことができない。シーバスは、川底で流れてくるエサをじっと待っていると考えると、流れが止まると食わなくなるのも当然だ。そして必ずボトムを狙うことだ。根掛かり回避のために少し浮かせても問題ないが、あまり浮かせると全く反応しない。やはり基本はボトムを離さないことにある。なので、バイブレーションルアーはこの釣りにはうってつけだ。
だが、この釣りでは残念ながら根掛かりを100%回避するのは難しい。どんなに地形を把握していも0にすることはできない。しかし、釣り方を工夫したり、障害物を把握することである程度は防げる。
これからさらに水温が下がれば、ボトム中心の釣りは必須となる。この釣りをマスターすれば、寒い季節はもちろん、ハイシーズンでも河川のシーバスフィッシングは無敵だ。リスクはあるが、挑戦してみる価値は絶対にある。
<宮坂剛志/TSURINEWSライター>
村田川