久々にライトブリームに専心して、チヌ・キビレを釣ることにした。ポイントに選んだのは泉大津の実績ある場所だ。しかしここで思わぬストップをくらうことになった。まさかのボウズに終わった9月29日の釣行を涙ながらに振り返りたい。今年はじめての無釣果である。まるで悪夢のような夜だった。
（アイキャッチ画像提供：TSURINEWSライター井上海生）
当日の状況
若潮の後の中潮で、比較的よく動く潮。上げきりが18時頃に来る。私が釣り場に入ったのは19時頃だった。少し潮が下げ始めて、ベイトが抜けていくタイミングを待てば、どこかで食いが立つのではないかと予想していた。
いろいろ試してやるぜ（提供：TSURINEWSライター井上海生）本命はチヌ、そして暇つぶし、あるいはチャンスがあればアジング、というプラン。それがうれしいことに、到着した瞬間から、水面でピチャピチャと何かライズしている様子なのだ。「これはアジだ」と確信する。まずはアジングからスタートだ。
アタリが皆無の状況
1gタングステンのジグヘッドに、2inchのワーム。パイロットリグで表層からボトムまでサーチしていくが、ちゃんとしたアタリ方をしない。これだけライズしているはずのアジたち。いや、散発的に何か触るのだが、何かこう、アジの感じとは違う……。
以前たまたま釣れたサヨリ（提供：TSURINEWSライター井上海生）と思ってサーッと回収したリグに何かがアタックしてきた。釣りきれなかったが、海面に光をあてて確かめると、サヨリだ。細長い青いシルエットがワーッと散る。よく見ると、サヨリが表層の全面にいるじゃないか。これは、釣れないヤツら。同じような魚でもカマスなら釣れるのだが、サヨリはアジングでは釣れない、フラストレーション・フィッシュなのだ。ここでアジングは見切った。
チヌがまーったく出ない
ラインをチェンジ。PEラインを張ったスプールにかえて、ライトブリームにスイッチする。同じアジングロッドだが、重いルアーを使うのでもなく、海面に近い足場からキワを撫でるだけなので、これで十分。これがフィネス・チヌ、ライトブリームの基本スタイルである。
しかしこの日はまったく、まーったくチヌがお留守。たまにアタるのはサヨリばかり。おそらく一度くらいはチヌが触ったのだろうが、ノるとかノラないという問題ですらない、鬼の低活性だった。
これは……まずいかもしれない。と言うのも私は今年、まだ、ボウズをしていないのだ。ここでその記録が途切れるのはヤダ。だが、海水温26度の海だ。ここまでダメだと、そろそろ絶望感が漂い始める。
ラストのシーバスをバラす
プラグをメバル用の小さめのミニクランクにかえて、また足元をトレースする。するとバシャバシャとエラ洗いする音が間近で鳴った。ラインテンションが抜け、するするーっとイトが緩むようなアタリでアワセ不可。一瞬、跳ねて見えた魚は確実にシーバスだったが、バラシた。
いよいよ、これが最後の運だったなと悟る。今日はダメだ。何より自分の心が挫けてしまっている。こんなときには、それ以上無駄な被害や精神的苦痛を味わわないために、早上がりすることである。
無念のボウズ
予定よりも1時間早く終わることにした。竿をたたみながら「悔しい！！！！」と叫ぶ。どこまで自分が没頭していたか、釣りに対してひたむきだったか、悲鳴に「本気」が滲んだ。
泣く思いで帰りの準備（提供：TSURINEWSライター井上海生）反省点として、やや浮気気味に来ていたことがある。アジングは、不要だった。様子を見てみたい気持ちもあったのだが、まだ一級ポイント泉南でもむずかしい中、湾奥で釣ろうとは欲張りすぎた。
チヌ一つにするならばもう少しタイプの異なるルアーを持ち込むべきだったし、この日はカラーもバリエーションに欠いていた。要するに海を舐めていたのだ。釣れないことには必ず理由がある。粘りも足りなかったかもしれない。
＜井上海生／TSURINEWSライター＞
泉大津
