シーバス用ロッドといえば、王道の番手は8~9ftのMLクラスが一般的。それなりに飛距離が出せて、10~20gのルアーを快適に投げられるのでどこにもっていくにしてもある程度対応しやすい。しかし更なる汎用性という意味では私はショートパワーロッドをオススメしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター檜垣修平)
ショートパワーロッドという選択
ここでいうショートパワーロッドは7ftのMHクラスの、文字通り短くて硬いロッドだ。筆者はモアザンBR78MMHをかれこれ6年ほど愛用している。7ft8inで、ルアーウェイト的には30g後半までならバシっと振り抜けられる。
7ftのショートモデルのラインナップはそれなりに各社だしてはいるのだが、MHクラスはかなり少ない。万人受けする竿ではないのは間違いないだろう。最近ではベイトシーバスがだいぶ浸透してきたことも有り、パワー勝負したいならベイトロッドで、というのもあるかもしれない。
ショートパワーロッドのメリット
ショートパワーロッドのメリットとはなんだろう?
ルアーの扱える幅が広い
ヘビーメタルバイブやシンキングペンシル等MLではちょっと重いものもしっかり振り抜ける。ロッドが短い分スイングスピードが上がるので、慣れは必要だが10gアンダーの軽量なルアーも遠心力で飛ばせる。ついているガイドが大きいのでラインの抜けも良く、皆さんが思っているよりもしっかりと飛距離が出せる。
無理が効く
牡蠣瀬や杭周りで掛けた時に強引なファイトが可能。そういう心配がない場所なら無理せずドラグを出せば問題なし。
取り回しが良い
住宅地を流れる中規模河川などではすぐ後ろに壁があったり木が生えていたりするとキャスティングしにくいが、短い分扱いやすい。水面との距離が近いような場所でのアンダーキャストや橋の下に入っての釣りの時などもやりやすい。
キャスト精度が向上
竿が長くなればなるだけ、ピンポイントキャストは難しくなる。その点こちらは短い分精密キャストがしやすくなる。
デメリット
メリットあれば、もちろんデメリットもある。
リリースタイミングが難しい
竿が硬く、短いという事はタメが効かなくなるのでキャスト時に指を放すタイミングがシビアになる。これはもう慣れなので自分が竿に馴染むまでキャストを繰り返す。
飛距離で劣る
幅広いルアーを扱えるが、最適な重量を背負わせた9ft~台のロッドと比較すると飛距離では負けてしまう。扱える範囲は広いが、どれも最適な硬さと長さのロッドを使った場合の最大飛距離の7~8割くらいの飛距離になってしまう。
あまりモデルが無い
現在私が使っているモアザンのモデルは廃盤で、現行のモアザンにはラインナップから外れてしまった。ほかにもAPIAのナチュラルセブン等があるが、値段的にはかなりお高め。ちょっと試してみるかくらいの気持ちでは買いづらいのが現状だ。
一本あるとかなり幅広く使える
メリット、デメリットを上げてみたが個人的にはメリットの方が上回っていると感じる。慣れと練習が必要ではあるが、とりあえずこれ一本でオールシーズン、ほとんどの場所に持っていける。磯や足場の高い沖堤防はさすがにしんどいが、小規模~中規模河川や堤防の釣りでは時に問題ない。ルアーも5g程度から40gくらいまでは扱えるので上述の通り汎用性はピカイチ。
飛距離最優先の大河川での釣りしかやらない、沖堤防しか行かないという方にはオススメできないが、小規模~中規模河川をランガンするようなスタイルの方にはかなりオススメの選択肢だ。
<檜垣修平/TSURINEWSライター>
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