気温が高くなり釣りに出かける人も多くなってきました。これからの季節、シーズンを迎えるマハゼという小魚がいます。いまでこそマハゼは食用として広く流通していませんが、かつて東京湾で多産した江戸前の魚の一つに数えられる魚です。今、江戸前のマハゼを復活させるプロジェクトが行われているのをご存じでしょうか?
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
江戸前ハゼとは
「江戸前ハゼ」は、江戸前で獲れるマハゼのこと。
かつて東京湾では良型のマハゼが多産し古くからハゼ釣りを楽しむ人が大勢いたそうです。さらに「江戸前の魚」として天ぷらや甘露煮で食べられており、江戸の食には欠かせない魚でした。
そんな江戸前ハゼですが近年、数を減らしているようです。マハゼ減少の原因は海底や海水の変化とも言われていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
江戸前ハゼ復活プロジェクト始動
江戸前ハゼを復活させようと一般財団法人東京水産振興会は海辺つくり研究会、国土技術政策総合研究所などと共に「江戸前ハゼ復活プロジェクト」を2008年度より始動しました(江戸前ハゼ復活プロジェクト)。
本プロジェクトでは毎年、東京湾の各地でマハゼの棲み処調査を行っており、個体数、大きさ、平均体長などのデータを蓄積しています。また、時にハゼ釣り教室なども通してハゼのデータ収集も行っているようです。
ハゼを釣るだけで研究に貢献できる
本プロジェクトでは誰でも東京湾で釣ったマハゼのデータを登録することができる「マハゼ調査票」を公開しています(データ登録-江戸前ハゼ復活プロジェクト)。
この票では釣ったマハゼの大きさや日時、仕掛け等を記入する欄があり、場合によっては学術誌に引用されることもあるとか。
さらに、ハゼ調査に貢献した人にはお礼に参加証が配られたとのことです(昨年度の参加者には事務局からのお礼として参加証が配られましたが、今年度も同様の参加証が発行されるかは未定とのこと)。
このように誰でも手軽に学術に貢献できるシステムはとても嬉しいですね。
ハゼ釣りのシーズンはまさにこれから。江戸前ハゼ復活プロジェクトに興味がある方は東京湾で釣ったマハゼをデータ登録してみてはいかがでしょうか?
(サカナト編集部・鈴川)
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