アジングで実績の高い釣り場には必ず「猫」がいると感じる筆者。知らないうちに近寄ってきて、釣果を横取りされることもあります。しかし、「新地開拓」と意気込んでチャレンジする場所には猫がいなく、そういう場所に限って釣れないことが多いです。そこで今回は、「猫は釣れるタイミングを知っているのか」を筆者の独断と偏見で考察しながら釣行した様子をご紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・松永一幸)
「時合い」を予感すると奴は来る
釣れるタイミングを考慮して早めにポイントへエントリーする筆者。これも筆者のルーティーンですが、「時合い」に備えてラインの確認やワームのチェックを入念に行い身構えていると、振り返った5歩先に、静かに座って待つ「猫」の姿が……。
タイドグラフでは潮が動くには早い時間ですが、「猫」の存在を確認したタイミングで海面に変化が出る程の流れが発生しました。
「潮汐」と「時合い」の関係をこのフィールドに特化して理解しているような行動です。人間が靴を履いてしまったため、大地の変化を捉えられなくなっていると噂される「野生の勘」。
彼等は、肉球でそれを感地合い」を知り得ているのではないか……と勝手に深読みしています。
招き猫の可能性
猫の存在を感じると、なぜかアジがヒットする。彼等も同じく動物です。「釣れる時期」と「釣る人間」と「釣れる魚」を、その時のシチュエーションで直感的に理解し、近寄って来てるような雰囲気がします。
「実は福を招いてくれるのか?」と感じる場面もあり、人柄の良いアングラーを見定めて、近寄っている印象が強いです。
一見すると、強面のアングラーであっても、彼等とセッションすれば、素直に優しい心を引き出され、釣果の一部であるアジをくれることもあります。
見た目ではなく、その人の気性を感じ取り、オコボレをくれそうなアングラーに近寄り、「福を招いて」自分も満たされる作戦なのかもしれません。ある意味「したたか」ですね。
その音の意味を知っている
「ジィーーーーっ」と鳴り響くドラグ音。これは、「魚がヒットした事」を周囲に悟られてしまう音だと、アングラーなら誰しもが理解するのは当然ですが……。なぜに、「猫」の彼等は「ヒットした!」と理解して、足元に集まるのでしょうか。
彼等は、ドラグ音を理解していると筆者は思います。最初に彼等に、お裾分けをしたアングラーが鳴らしていたのでしょうから、生きる為に学んだと考えれば当然ですね。「あれは幸運の音」だと彼等は認識して、俊敏に反応して集まるのでしょう。
それだけの単純な感覚で、釣果のあったアングラーを見定めて、近寄ると考えれば、素直に「やっぱり猫だな〜」と理解に至りますが……。
「ゴゴゴゴゴゴーーーッ」と、明らかな潮流音を聞いて、地合いを予感して身構える筆者に対して、その少し前に行動を開始して、どこかにあるであろう寝床から、このフィールドに現れる彼等の行為は、「何かを感じ取っている」と、考えてしまう程の正確な精度です。生きるのに、必死なのだから当然ですかね。
釣果写真に映る「魚と猫と私」
毎度、撮影の被写体になろうと入り込む「猫」。おねだりに来ているのは分かるが、察して欲しいところ……。
「写真撮影終わったら、くれよ〜!」と言わんばかりのその眼差し。写真の使い回しのように見えるから、筆者としては勘弁して欲しいところです。
ですが、釣果写真を見ていると、ほとんどのものに映り込んでます。中には、光る目だけが、映り込んでいるものもありましたが、それだけ彼等が釣果と、密接に関係している証拠のようにも感じられます。
猫は時合いを知っているのかも
色々と深く、「地合いを知っているのではないか?」と考察してみました。アングラーは、周囲の状況観察の後に、ナブラを発見して狙い撃ちをしたり、潮目を見つけては、その中のどのレンジにターゲットが潜んでいるのかを探り当てたりと、多種多様な情報を収集して分析し、正解へ辿り着くかと思います。
その収集すべき情報として、「猫の存在」へフォーカスした物も有効性が高いと感じました。釣果を招く、「招き猫」と考えてみると、釣れた釣果の一部は譲れる分は積極的に譲ってあげて、より良い釣果を、沢山招いて欲しいと願うところです。
しかし、飼い主の居ない猫への餌やり行為は、条例違反に該当する場合もあり注意が必要です。更には、猫の為と思っての行為が、実は傷つけてしまっている場合もあります。
釣れた魚をそのまま与えると、寄生虫や魚の骨が影響して、体調を崩してしまう恐れもあります。その為、釣れた時は盗られない様に注意し、釣果を譲渡する場合は、条例の確認と魚の処理を必須でお願いします。
少し、脱線しましたが、猫の気配も、フィールドの調査時には、視野に入れてみては、いかがでしょうか。良い結果へ至る為の糸口となれば光栄です。
<松永一幸/TSURINEWSライター>