桜の開花を待ち望む3月6日。学生たちが新たな進路に希望の光を灯すなか、三重県鈴鹿市のテトラ帯(白子沖)に根魚を求めて釣行した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・波瀬金鉤)
白子沖のテトラ帯でカサゴ釣り
この時期はキジハタやクロソイなどの大型魚は水温が安定する深場の沖に出ている。そのため主なターゲットはカサゴ。潮の動きだしを狙い、午後2時30分の満潮に合わせて正午に若松漁港を出船した。天候は花曇りで気温6度、最大風速4mと寒風が身に刺さった。
ポイントには波消ブロックが不規則に並び立つ。円錐体4本脚の隙間にカサゴが潜むので、ブラクリ仕掛けを落として狙う。水深は最深部で5mほど。当日の海の状況は、ウネリが入っており、波はそこまで高くないが潮の流れは速い。仕掛けとラインが流されると根掛かりするのでブラクリ6号を選択した。
昼間は海底や物陰で静かにエサを待つカサゴの遊泳能力は高くない。そこで重要なのが巣窟を早く見つけること。テトラの隙間は無数にあるが、カサゴが好む環境は限られている。居心地の良いすみかには群れて潜んでいるので、引き当てると釣果を大きく伸ばせる。
まずは手当たり次第テトラの隙間に仕掛けを落とし、着底してから30秒ほど待つ。アタリがなければ次の隙間に移動する。これを繰り返して金脈を探るわけだ。
26cm超えデカカサゴ登場
開始して3つ目の穴に仕掛けを投入。入り口は狭いが引っ掛かりなく水深5mのボトムに到着した。周囲の穴と比較して空間が広く深い。カサゴが好むポイントだ。場を荒らさないよう10cmほど仕掛けを浮かせてアタリを待つ。
すると真っすぐに伸びたサオが鈍く曲がる。カサゴがエサをくわえた前アタリだ。手元に伝わる振動とともにイカの短冊を端からのみ込んでいく。一日千秋。はやる気持ちを抑えてフッキングに備え手元に力を込める。次の瞬間、深く引きずり込まれるサオ先。ハリをカサゴの口に突き立て、水面に向けて一気に引きはがした。
しかしカサゴの激しい抵抗でサオが宙に放物線を描く。キャッチまで残りの水深は1m。問題は入り口の関門だ。ここを突破しなくては全て水の泡となるので、サオを立てて素早く取り込む。
結果、26.2cmの超デカサゴを釣り上げることに成功した。今シーズンのベストサイズ更新だ。エラぶたを膨らませどっしりと構えた風ぼうに思わず胸が熱くなった。