12月に入り、ようやく待ちに待った寒グレの季節に突入した。今年は海水温の上昇で全国的に海の状況は厳しく苦戦続きの年だ。夏、秋磯に釣行してもグレどころかエサ取りもまばらで、例年では考えられない釣果が続いたが、ようやく11月に入って好釣果をちらほらと聞くようになった。そんな寒グレを前半、中盤、後半に分けて説明していこう。
水温の変動が激しい前半
まずは12月頭から年末にかけての寒グレ釣りの前半だ。
私自身は一番難しい時期だと思っている。それは水温の変動が激しい時期だからだ。釣果にばらつきがあり、1日で変わってしまう。
ただ、決してグレ自体の活性は悪くない。
グレのアタリはしっかり出て食い気はあるが、釣れるタナが変わるので釣り方も難しくなる。びっくりするくらい浅いタナで釣れたかと思えば、サオ2本の底で釣れたりと釣り人を悩ませる。
私がよくこの時期に多用する仕掛けは、0スルと呼ばれる全遊動仕掛けだ。いまやグレ釣りの主流となっているこの釣法は、やはり釣果を出しやすい。
簡単に説明すると0浮力のウキにウキ止めを付けず、仕掛けがナジんだらウキが沈みタナを探る釣り方だ。
アタリはウキを見て取るか、ウキが沈んで見えないときはラインの走りやサオの穂先で取るようにする。
全遊動仕掛けのメリット
魚がくわえたときのウキの抵抗を極力なくし、グレにサシエサを食い込ませられる。あと寒グレ初期のタナが分からない時期にピッタリの仕掛けだ。
沖から際までどこでも狙える。
のポイント
注意すべきは、仕掛けがナジんでからウキが沈む調整をするということだ。
悪条件のときに強制的にウキを沈ませることもあるのだが、やはりアタリが出にくい。サシエサだけ取られて、アタリが出ないことが多くなるからだ。
釣り場や潮や水潮などで塩分濃度が変わり、ウキの沈むスピードは1日でもかなり変わる。急にウキが沈むようならウキの交換時期だろう。
大まかに0ウキといっても、微妙に浮力が違うウキが今は数多くの種類が出ているので、しっかりそろえて状況に対応しよう。
あと流した仕掛けを引っ張りすぎないこと。
特に潮が通る釣り場では、仕掛けを引っ張ることで仕掛けのナジミが悪くなったり、コマセが流れる筋とずれたりするからだ。
まいたコマセと同じように流したいので、食わせたいタイミングでサシエサを止めたり引き上げないようにしたい。
サシエサを引っ張っていく潮を見つけて釣りをするのがいいだろう。