アジングをしていると、しばしば足元にアジの群れが入っていて、釣りあぐねる。アジのアタリは小さい。そして足元は一番リールのドラグが効きにくい場所なので、アジのサイズや活性によっては釣るのは至難の業だ。ではどのように打開するか?コツを押さえておこう。角度をつけて釣る、というのがひとつ重要な術だ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
厄介な「足元のアジ」
小さいのも大きいのももっとも食わせにくいのが、足元のアジである。もちろん豆サイズは苦労するが、20cmを超えるそこまで悪くない型も、足元に溜まってしまうと釣りにくい。
足元にアジが溜まる理由はいくつか考えられる。まずそこが、明暗がばっちり効いた場所であること。アジは基本的に明暗の明に溜まるのだが、あまり明暗がはっきりしている釣り場で、しかも足場が近いとなると、人の気配を感じて明暗の暗に入ってしまう。
その次に、足元パターンを形成する大きな理由が、プランクトンがそこに滞留しているからだ。潮に押されて流されてきたプランクトンが壁でクッションして、そこに溜まる。ベイトフィッシュもそうだが自ら遊泳する力が極端に低いプランクトンは、流されてきた先にたたずむことしかできない。それを追ってアジが壁際・足元に着く。
以上のような理由で、アジの足元パターン・壁パターンは本当によくある。
なぜ釣りにくい?
さて、では足元のアジがなぜ釣りにくいか?
冒頭で述べた通り、ドラグが効きにくいのが一番の問題だ。ドラグは手前にくればくるほど効きにくく、足元のバイトは特に拾いにくい。だがこれは、多少なりドラグを緩めておくことで対処できる。ただショートバイトや型によっては、それだけでは足りないことも…。
また釣りにくい原因のひとつとして、他魚種との混泳、もある。たとえばメバルやサバやサヨリなどが混泳してしまうと厄介だ。そもそも多魚種の混泳は釣り人にとってフラストレーションだが、アジは特にレンジと群れの密度がコロコロかわるので、それを足元でやられてしまうと、かなり難しくなる。
基本的に足元に多魚種いるときには、メバルは壁のマイナス方向かボトムで、サヨリは表層。アジはその中間くらいだが、そう思うほどうまくは釣れない。
またこの状況でシーバスのスイッチが入っていると、アジを狙って釣るのは困難になる。もはやアジだけが入っている場所を探して釣った方がいいだろう。サヨリは汽水域に入りにくいので、河口でアジングするのもアリだ。
攻略法はショートロッドと角度
さて、前置きが長くなったが、足元のアジの釣り方について解説していこう。
ショートロッドを活用する
まずは道具面での対策から。ショートロッドを使うと、足元のアジは攻略しやすくなる。6ftをメインに使っているなら、5ft台あるいは4ft台にしてみる。足元のアジはこうするとフッキングロスが少なくなり、乗せがかなりよくなる。
角度をつけて釣る
これも簡単な方法だ。オープンに投げて、真正面に引いてきて足元でアタリが出る、というときには、その場に対して角度をつけて釣ってやればいい。つまり、横に動いて、そのポイントを打ち直せばいいのだ。
ただあまりピンポイントにダイレクトに放り込むとバイトが出にくいので、あくまでオープンに打って、潮流に漂わせながら足元のアジのホット・スポットにリグを流し込もう。うまくドラグが効いて釣れるはずだ。
巻きで簡単に反応することも
ここまではあくまで、フォール主体のアジングについて語ってきた。アジには軽量リグをふわふわさせるふわ釣りだけではなく、巻きの釣り・リトリーブの釣り方もある。
足元のアジはなまじフォールで見せるより、巻きでカンタンに釣ってしまった方がいいこともある。ただ巻き、フォールをまじえた巻きなど工夫しながら釣ってみるといいだろう。もちろん、レンジは考える。秋冬はメバルが混じるので、表層の単調なリトリーブだとメバルになってしまう。
<井上海生/TSURINEWSライター>