ブリ一家が代表の青物狙いは、ジギングを主体で釣っていますが、晩秋の今回は、小アジを釣って、それを活きエサとして泳がして狙う、のませ釣りをしました。外海の大物狙いの泳がせ釣りの小アジ版ですが、これで、メーターサイズのブリまで狙います。潮に乗せて、就餌層に小アジを泳がせ誘って喰わせて走れば、静から動に変化する楽しさです。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター丸山明)
瀬戸内海の「のませ釣り」
落とし込み釣りはメジャーですが、小アジを活きエサにして泳がせて青物を狙うこの釣り方は、瀬戸内海独特かもしれません。なぜならば、青物のエサ釣りは、全国的なオキアミを使用する方が手っ取り早いでしょう。しかし、瀬戸内海各地は、県条例で船の撒き餌釣りが禁止なため、入手簡単な小アジを泳がせて狙う釣法が多用されます。
活きエサ釣りには、前アタリが出ます。小アジが、影におびえて暴れるのがブルブルと穂先に伝わり、次は、青物が飲み込もうとしてくわえ込んで頭を振りバタバタと、そして、飲み込んだら一気に走ろうとして穂先が突っ込みます。あとは、サイズ相応の引きを楽しむ一連の動きが、こののませ釣りのおもしろさです。
播磨灘での人気は高く、ボートは勿論、乗合船も数多く出ていて、休日の一級ポイントに群れが来ると、大きな船団ができるほどですが、図体の割に臆病なこの魚は、エンジン音と魚探音波で喰いが渋るので、船団を避けるのもひとつの手です。
活きエサ用の小アジ釣り
小アジ釣りは、まさに、ひと手間増える釣りの前の釣りですが、如何に短時間で活きエサを確保して、青物のポイントへ向かうかが肝です。
小アジのポイントは、皆が狙う賑わい。夜明け前一番にポイントに入り、10-15匹の小アジを手早く釣らないとブリを狙う時合いを逃すこともあります。もしも、喰いが悪く、時合いに遅れそうならば、例えば、まだ小アジが少ないと粘らず、5匹もあればとりあえず沖に向かい、時合いを無駄にしないことです。5匹あれば、うまくいけばメジロ3本釣ることも可能です。
時合いに遅れないことが肝要です。この日は、うまい具合に小アジの群れの上でホイホイ釣れ、十分すぎる15匹を確保して明石沖に向かいます。小アジを釣ろうが釣りまいが、日頃より小アジの居場所を調査しておくのは、秋のボート釣りでは大事なことです。
45cmハマチが登場
夜明け前に出航して、小アジを釣ってから明石沖に向かい、7時半に釣り開始です。明石海峡は、6時過ぎから上げ潮で流れ、10時前の最速潮流へと潮が速くなりますので、明石沖の北側から実績場を探って南下します。最初は、どうにも魚の気が無く寂しい思いでしたが、3番目のポイントで、初アタリ。
前アタリから始まり、バタバタと頭を振り振り飲み込んで、一気に走ったところでアワセを入れると、ブリまで見込んだタックルでは物足りない45cmのハマチです。電動リールを使用していますが、釣れた時は手巻きで巻きます。このサイズだとぐるぐる巻きですが、まあ本日の嬉しい1匹目です。
ジギングのように絶えず、広い遊泳層を探らず、小アジを底から5mくらい上になるように、必ず手持ちで調整しながら、その上下のタナを探ります。
再び潮上に戻り、ボートを水深27mの崖っぷちを流して行くと、再びアタリが出て、同サイズを追加しましたが、若衆ハマチ君は小アジの大きく喰いきれないのか、2回連続で喰うものの飲み込めないのか、ハリがかりできずです。
65cmメジロをキャッチ
型物が欲しいので、北上して水深50mから20mへの潮の当たるカケアガリへ移動しました。潮の流れは、現在4ノットで10時を過ぎると緩み始め、型物の時合いです。魚探には、水深45m-20mへのカケアガリにベイトや青物の反応が出ていますので、期待充分で小アジをタナに送り込み、2回目の流しで喰ってきました。
時合いです。穂先バタバタしてさらにバタバタ、すると、大きくサオは突っ込み、アワセ!この引きは手ごたえがあります。期待通りのメジロサイズが姿を現しました。4回目の流しで同サイズのメジロを追加です。65cm位になれば小メジロながらも引き味が出てきて、釣ったった感です。
ハマチ45cm2匹、メジロ63-65cm2匹の4匹を釣り、予定の10時半過ぎで順調な釣果を得ました。これだけあれば、当分の寿司だねで、満足な沖上がりにします。ブリサイズは次回以降の楽しみです。
今後に期待
のませ釣りは、カケアガリの水深に合わせ、アジを就餌層の底から5m上を泳がせるのが肝です。オモリが底を引きずったら釣れず、これさえうまくいけばカケアガリにたむろしている青物を小アジが誘ってくれ、強引を味わえます。
<丸山明/TSURINEWSライター>