ライトゲームの難敵に魚以外の「生物」がいる。クラゲやサルパといった光に集まる生き物や、5月から7月に足元に繁茂する藻だ。いずれもショアのアングラーにとってはリグを巻き取ってくる足元を徹底的に邪魔してくれるものなので、こいつらとはうまく戦いたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
足元の厄介者たち
釣り場の足元には本当にいろいろと厄介なものが集まってしまう。浮きゴミや台風のあとの笹なども必然的に波に寄せられて集まる。風や潮の方向次第では、まったくその場で釣りができないこともある。足元の厄介者とはうまく付き合わなければならない。
クラゲ、サルパ
クラゲやサルパは、まだしも戦い方があると言えるかもしれない。海面の浮きゴミは漂着先が必ず足元と決まっているので、釣り場の条件によっては不可避だ。
ただクラゲやサルパは行動原理がある。それは「捕食」であり、主には微弱でも光が当たる範囲に、プランクトンを追いかけてくる、というわけだ。
藻
足元の藻は魚の産卵期にかけて繁茂する。季節としては春から7月くらいだ。実は春イカやアジをはじめとして魚は入りやすいのだが、藻そのものは釣りの邪魔にしかならないので釣りにくい。
魚が産卵する藻というスポーニング・ベッドは、釣り人にとっては厄介極まるものである。春のイカなどはエギのハリに藻がついているだけで、猛烈にプレッシャーがかかると言われる。
対策は「なるべく距離をおく」
さて、では彼ら厄介者が繁殖した釣り場をどう釣るか、だ。結論を先に述べると、「なるべく物理的な距離を置くしかない」という話になる。
クラゲやサルパといった光に集まる生き物は、逆に言うと光の当たらないところにはそうそう集まらない。満月の明るい月夜は場所によってはどこにでも集まってしまうが、そうでない場合は主には常夜灯周りや、海に面した建物の灯りを頼りに集まる。これを避ければ魚は釣れる。アジやメバルは海の明暗に集まりやすいが、潮の流れや場の条件を知ればそれ以外の場所でも反応させられるので、必ずしも釣りが徹底的に困難とはなりえない。
藻も同様である。釣り場でちょっと奥に引っ込んだようなところに逃げれば藻はなかったりする。潮流が気持ちよく当たるところに繁茂するので、その場を避ければいい。
クラゲ、サルパ、藻。いずれも足元に増えるものだからといって、「その向こうを釣ればいい」と考えてはならない。仮にそこで魚をかけても、必ず釣ってくる最後のところでこれらの生物に引っかかってしまう。そうなると、そこからは巻き上げ不可能。バラすかリグのロストになるので、無駄どころか勿体ないことになる。