意外な近場で釣ることができるクロダイ。今回は、このクロダイを河川で釣る方法や、どんな所に住んでいてどんな釣り方をすれば効果的かを、筆者の経験を元に解説してみたいと思う。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)
クロダイ釣りの魅力
クロダイ。その力強い引きと黒と銀色のコントラストの魚体は、シーバスにはない魅力がある。近年、関東でもほとんどの河川で見る事や釣る事が出来る。冬でも動きは鈍いが、温排水の流れ込む河川などでは元気に泳いでいる。釣り味も良く、タイ特有の首をふる強烈な引きは一度味わったらヤミツキだ。
性格はというと、雑食で獰猛。海苔やアサリまで食べてしまう事から漁業関係者には嫌われているようだが、釣り人はクロダイが好きだろう。そこで今回は、このクロダイを河川で釣る方法や、どんな所に住んでいてどんな釣り方をすれば効果的かを筆者の経験を元に解説してみたいと思う。
河川にいるクロダイの生態
それではこのクロダイについて少し触れてみたい。川のクロダイは、けっこう都心部の河川でも普通に見られる。エイなんかもそうだが、日中にフラフラと泳いでいたりするから、機会があったら観察してみると良い。
なぜいるのかだが、やはり川には豊富なエサがいるからというのが正しい。大好物のカニやエビ、さらにはイナッコ(ボラの子供)ハゼ、ゴカイに貝類……上げたらきりがないが、食料には困らないのだろう。
シーバスやボラ同様、環境汚染にも強く油などが流れる河川にも普通に生活している。まさに生きるために適応した魚の1つだ。
釣りのポイント
釣りのポイントだが、フラットで何もない河川より、カキ殻や岩、コンクリートブロックなどの障害物がある方がはるかに釣れる。身を隠すのもあるが、そのような場所は好物のカニや貝類が多いので自然と集まる。
そして夜はさらに浅い場所までエサを求めてやって来る。それこそ水深10cm程度の浅場で釣れたりするから驚きだ。根掛かり覚悟の気合いで釣れば、超浅場は絶好のポイントで数も伸ばせる。
ハゼの有無がヒントに
もっと簡単にポイントを探すなら、ハゼを探すのが早い。ハゼは基本砂地にいるが、意外にも岩などの障害物や地形の変化のある場所の方が釣れる。ここには同時にカニやエビなどクロダイの好物も多い。
実際に筆者はハゼが釣れる砂地で何匹もクロダイを仕留めている。ポイント選びに迷ったら、ハゼ釣り師を探そう。意外にもポイント選びの決め手になるかもしれない。
昼と夜の釣り方
クロダイは昼も夜も関係なく釣れるが、春先から夏場は夜の方が釣りやすい。というよりも、夏場は昼間の釣りは熱中症の危険があるのでやめた方が良い。それでも車などで河川の状態を見ておくと良い。何処が浅くて、何処に障害物があるのかなど、潮が引いたタイミングで見ておけば夜間の釣りがしやすくなるからだ。
ちなみに昼間釣るなら、表層のトップの釣りやバイブレーションがオススメだ。トップの釣りは迫力があって面白いが、よほど活性が高くない限り難しい。それならバイブレーションの早巻きの方が簡単で始めやすい。シーバスの子供(セイゴ)が掛かる事もあるので、クロダイが釣れないなら遊び相手になってくれる。
夜はスローに攻める
夜はその逆で、スローにゆっくりがいい。フローティングミノーをゆっくり巻いても良いが、水面の反応が無いのなら、夜もバイブレーションの出番だ。根掛かりするのである程度それを承知でやるのだが、底(ボトム)を引きずるやり方だ。
底(ボトム)に着いたら後はバイブレーションをズルズルとゆっくり引くだけだ。これは、川底を這うカニやハゼなどを狙うクロダイには効果絶大だ。エビを模したワームでもこのやり方がいい。このように、昼と夜では少し釣り方を変えてやると良い。筆者的には夜の方が釣りやすいが、慣れないうちは暗くなる前の夕方くらいに集中して狙うと釣りやすい。