半年ぶりのヤマメ解禁は、地元のホームグラウンドで迎えたいという思いもあり、3月1日の明け方に熊本県球磨郡五木村の川辺川へ向かった。今シーズンのヤマメ釣りは、昨年9月の台風災害で例年以上に厳しいと予想されている。ただ、釣果は蓋を開けてみないと…と、言い聞かせながら車を走らせた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)
解禁日の川辺川でヤマメ釣り
五木村に入り、各入渓点を確認すると、解禁を待ちわびた太公望が夜明けを待っている。久しく賑わう渓流を見ると、はやる心を抑えながら核心部から少し外れた場所を確保。この一帯は昨年まで解禁から8寸(約24cm)前後の良型が数釣りできたエリアだ。
安全祈願して釣行開始
夜明けとともに入渓。しばらく進み、ベストの胸ポケットから仕掛けを取り出し、ゆっくりと竿を伸ばした。
川と竿は酒で清め、安全祈願で手を合わせる。さて、ヤマメを釣ろう!辺りも随分と明るくなってきた。やはり土砂で全体的に浅くなり、狙うポイントも限られてくる。昨年まであった淵も消滅している。アタリも皆無。
深瀬を攻めて本命登場
しばらく遡行(そこう)すると腰下くらいまでの深瀬が現れた。仕掛けは、竿=テクニカルゲーム攻隼S硬調60、水中イト=0・175号、オモリ=G2~B、ハリ=忍ヤマメ4号、エサ=キンパクで臨む。
2つの落ち込みから流れが合わさっていく理想的なポイント。私の立ち位置から下流へ誘いで流すと、一瞬で目印が上流側へ派手に吸い込まれた。竿を立てると、しっかりと重みが伝わり乗ってくれた。
上下流に素早く何度も引き込む正体は、パーマーク(体側の縞模様)の付いた本命のヤマメ。スレていない解禁日らしいアタリ方だ。
竿がしなる度に心地よい振動と重みが手元に伝わってきた。浮かせて止まったところをタモですくう。初物に思わずニンマリ、22cmの納得サイズだった。
25cmのヤマメをキャッチ
ここから調子を上げていきたいところだったが、上流に釣り人の姿を確認。お祭りの日なので致し方ない。後追いでスレヤマメを獲りにいく。早瀬の中に少し掘れた個所が点在している。アタリはあってもツン!と渋いアタリ…。
そこで誘い釣りの要領で立ち位置から下流側へブレーキを掛けて流す。エサがじっくりと底を這(は)うイメージを描きながら流す。カケアガリを仕掛けが通過し、流し切りの瞬間、目印が止まった。根掛かりとは異なり、躍動感ある止まり方だ。
タイミングを見計らいアワせると、竿ごと下流に持っていかれるような強い引き込みがあった。
とっさに下流側へ走りテンションを緩める。獲物は上流へ登り始めた。登る魚は良型だ。しっかりと泳がせて登らせる。登らせ切ったところでテンションを強めて体力を消耗させる。何度か空気を吸わせて、弱りを待ってタモでキャッチ。よく肥えた良型の25cmはあるヤマメだ。