渓魚を数多くゲットするベテラン渓流師達は、初心者と何が違っていて、どのようなことを行っているのか。1匹の渓魚をゲットするために、明日から使える実践的なテクニックを紹介していこう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
なぜ最初の1匹を釣るのが難しいのか
著者は小学生の頃から釣りをしていて、両親がよく管理釣り場に連れて行ってくれた。だが、様々な釣りをやってきたなかで、当時の著者は「自然渓流釣りの難易度は別格」だと思っていた。
その大きな理由が「仕掛けの流し方」と「アワセの難しさ」。流れをある程度把握して流したつもりが、予想していない方向に流れてしまったり、根掛かりが連発したり。苦労してようやく出たアタリも、アワセのタイミングが全く分からずに苦戦したものだ。今となってはある程度答えが出ているので、それらを著者なりに解説していこうと思う。
仕掛けの流し方を覚えよう
まずは実釣における最重要テクニック「仕掛けの流し方」について、詳しくみていこう。
入渓は極力静かに
渓魚は警戒心が強く非常に敏感。入渓する際もドカドカ入らず、身を屈めて静かに入る。できれば狙いのポイントのやや下流側から入渓するのが望ましい。入渓後も、振動が伝わって警戒させてしまわないよう、なるべく岩をガタガタさせないよう、足元に注意しよう。
また、川に近づいて覗き込むようなことはせず、できるだけ川べりから距離を取って仕掛けを投入した方が、渓魚を警戒させにくい。
仕掛け投入は静かに行う
せっかく静かに入渓しても、ポチャン!と大きな音を立てて投入しては、全ての努力が水の泡。静かに投入するように心がけよう。もしくは、流れの強い場所や白泡付近をめがけて投入すれば、着水音をごまかすこともできる。
まずは手前の筋から
川幅が狭い場所なら、いきなり本命の筋に流すのが良い。何度も仕掛けを通すと警戒されてしまうからだ。ある程度広い場所なら、立ち位置から見て手前にある筋や、下流側にある筋から狙っていこう。上手くいけば、1か所で数釣りを楽しむことができる。
底流れを意識する
可能な限り偏光サングラスを着用し、大まかな水深やカケアガリを把握したい。そうすることで、底の形状や流れ方を確認することができるので、表層よりも緩やかである底流れを意識しやすくなる。仕掛け投入後、馴染んだ仕掛けが水面の流れよりもゆっくり流れていれば、それは底流れを捉えた証拠だ。
オモリ交換を面倒がらない
初心者は、一度用意した仕掛けを弄ることなく釣り続けてしまうことが多い。だが、渓流は水深によって流れる速度や攻める場所が大きく変わるので、浅い場所ならジンタンの3号~5号、深い場所ならB~2号程度と、こまめなオモリ交換を心がけたい。こういった小さな手間の積み重ねが、釣果となって表れるのだ。著者は支流では2~4号、本流では1号~3号をメインとして使用している。