魚の王様マダイ、その釣法は時期や地域によって実に多種にわたる。そんななかで、伊勢湾伝統釣法といわれているウタセマダイは、普段マダイが食べているエサのエビをまきエサ、さしエサにも使う、実に理にかなった釣法といえる。今回は秋のウタセマダイ釣りについて解説しよう。
ウタセマダイのシーズン
ウタセマダイの時期は大きく分けて、春と秋に大別される。
エサとなるウタセエビがその時期に多く獲れるというのがその理由だが、釣れるのは春が乗っ込みの大型、秋は小~中型の数釣りがメインとなる。
また春はまだ水温が低いためエサ取りが少なく、アタリ自体が少ない比較的ストイックな釣りになる。
対して今の時期は警戒心の薄い小~中型が多く、またエサ取りも活発なためアタリが頻繁で退屈しない釣りになる。また秋は季節的に青物の回遊に当たることも多い。
ワラサやハマチ、カンパチなどがそうだが、普段フィッシュイーターの青物も、ウタセエビが大好物。いったんマキエに着けば、入れ食いになることも多い。
ウタセマダイのサオ(ロッド)
使用するタックルは春も秋も、そう変わりはない。
2~3m前後でオモリ負荷30~50号前後、7対3、もしくは6対4ぐらいのものが使いやすい。
釣り座によって使いやすい長さがあるので、できれば2m前後のショートロッドと3m以上でムーチング調子のロングロッドの2本あるといい。
例えば大ドモの釣り座になると、流す釣りをする場合短くても問題ない。これがミヨシになると、トモ方向の釣り人と別のラインに仕掛けを流し込むため、長めのサオの方がオマツリしにくいので使いやすい。
リールとライン
リールは小型の電動リール。秋がワラサなど大型青物も食ってくるため、ドラグ性能のいいものを選びたい。
ミチイトはフロロカーボンオンリーがお勧め。太さは5~6号。
現在の沖釣りではPEラインが主流だが、仕掛けを流すことの多いウタセマダイでは、潮なじみのいいフロロカーボンがお勧めだ
どうしても抵抗があってPEラインを使いたいという人は、先イトにフロロカーボン6号を15mほど接続しておこう。
仕掛け
仕掛けは大ざっぱにいえば、長~い胴つき仕掛けと思えばいい。
ハリス5~6号1ヒロ前後、ハリは伊勢尼10~12号、マダイバリ10~11号で、ミキイト6~7号、枝間2m、全長5~6mの長仕掛けだ。
オモリは後述するが、釣り方によって大きく変わる。2~80号まで幅広く用意しておきたい。