昨年末で定年退職を迎え、サンデー毎日となった。新年早々のウイークデー釣行にいささか違和感を覚えながらも、本格シーズンに突入中のトンジギ釣行へいても立ってもいられず、1月6日に三重県志摩市和具の遊漁船に単独釣行した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・伊藤明洋)
トンボジギング釣行
ウイークデーのトンボジギングに集まるアングラーは初めて見る人ばかりだが、若い人から同年代のベテランまでさまざまだ。出船は午前5時45分。私は予約順で、ミヨシから3番目を選択した。ミヨシデッキはトンジギ2回目という若い2人組。右サイドは60台のベテランさんと若い女性アングラーと続いた。ミヨシから4人は電動タックルだ。
船長に聞くと、前日は正午に集中してきたらしい。それも電動でただ巻き状態でも食ってきたとのこと。マグロがこうして簡単に釣れる日もあるのだ。
ポイントに到着すると、「80~100m前後を流してください」とアナウンス。昨年退職祝いにと、家族から贈られたビーストマスター3000を、取説を見ながら開始した。
300gのウロコジグで始めたが、想像以上の風で400gに変更する。開始早々他船からのヒットコール。前日の好調さが残っているので、期待が高まる。胴の女性アングラーは手巻きで挑戦だ。キビキビとしたシャクリに、リズムよく大きくサオを振り上げ、基本動作もバッチリだ。
10kg級ビンチョウ登場
2時間経過したころ、本船はノーバイトのまま、他船からのヒットコールも一段落した。9時ごろ、新たな筋を流し始めていると、女性アングラーにヒット。100mラインだと言う。しかし、PEラインはほとんど水平状態のやり取りだ。女性とは思えぬキレの良い巻き取りで、上がってきたのはビンチョウ(ビンナガ)。10kgには少し届かぬサイズだがお見事。彼女の1匹で船上のモチベーションは一気にヒートアップした。
9時半ごろ、150mラインを出してジャークを繰り返していると、ロッドにドスンと重量感が乗った。巻き取りをハイスピードに切り替え、アワセを強く入れ船長にヒットを告げた。
ドラグ調整をしながら、一気に巻き上げ開始。電動リールで重要なのは、ドラグが滑りだしたらピックアップボタンを活用したポンピングへの切り替えだ。滑りだしたまま電動で巻き取ると、モーターが熱で焼けてしまうからだ。
しかし、どうもおかしい。魚が重い割に引きが弱く、ラインが水平状態となった。やがて30m先に見えたのは、リーダーが尾ビレに巻きついたビンチョウ。船長がサクッと取り込んだ。
これも10kgには届かぬ小トンだが、久しぶりの本命はうれしい。時合いなので再開し、しばらくすると回収ヒット。3kg程度のカツオが見えた途端フックオフ。
ヨコワも登場
11時ごろ、ミヨシのアングラーにヒット。上がってきたのはヨコワ(クロマグロ)。それも良型だったため、残念な想いを胸にリリースするアングラーを船長は写真に収めた。
すると海の神様は若いアングラーにほほえんだ。再開した1投目に即ヒット!10kgのビンチョウがすぐに戻ってきたのだ。そして、胴の女性アングラーにもヒット。手巻きで頑張る彼女に2匹目がきたのだ。
やがて、時間は刻一刻と過ぎていく。前日よく釣れた正午も過ぎていった。船長は、終日志摩沖の奥を攻めていたが、最後の流しを近場に変更しようと勝負をかけた。