秋のアオリイカシーズン真っ盛りだが、釣り人を悩ませるのは相次ぐ台風の襲来。アオリイカに限らず何を釣るにしても絶好のシーズンだけに、歯がゆい思いをしている人も多いだろう。アオリイカは陸っぱりやボートからのティップランがメインだが、近年注目を集めているのがイカダからのエギングだ。クロダイのカカリ釣りのメッカでもある三重県・南伊勢町迫間浦のイカダでは、例年以上にアオリイカが好調とのことで9月末に同地にある日乃出屋を訪れた。
イカダエギングの魅力
イカダエギングの魅力は、なんといっても陸っぱり感覚でスレ知らずのアオリイカを狙えること。また波静かな湾内がポイントであることが多く、船に弱い人も安心して楽しめる。
またアオリに限らずメッキやカマス、青物などルアーターゲットも豊富にいるので、多彩なソルトゲームが楽しめるのだ。
当日の状況
当日は台風24号が接近しており、翌日は大荒れの予報。この日も刺激された秋雨前線のおかげで、朝から大粒の雨が海面をたたいていた。
本来なら釣行をためらうような天候だが、今年は台風ラッシュ、行けるときに行って釣れるときに釣っておかねば好機を逃してしまう。
6時前にそそくさとタックルを船に積み込み、釣り堀やクロダイ狙いのアングラーを乗せて桟橋を離れた。
5分ほどでイカダに到着し名前を呼ばれて、慌てて荷物をイカダに上げていく。
といってもクロダイ釣りのように重いダンゴがあるわけでもなく、ロッドとタックルケース、スカリにクーラーといった身軽な装備だ。
360度全方位ポイント
「360度全方位ポイント」と言う日乃出屋の大下船長の言葉に見送られ、ふりしきる雨のなかデュエルダートマスター2.5号ラトルをセット。
全方位とはいうものの、やっぱり狙いは岸際でしょ、といかにもな雰囲気が漂う岸際のシャローへ向けてフルキャスト。
岸際のシャローで1杯目
雨は降っているが風は全くないので、エギにウエートは足さずじっくりフォールでイカにエギを見せていく。ボトムを確認した後、素早く細かいシャクリを5回、ラインは張らず緩めずでじっくり落としていく。
そして2度目のシャクリの後のフォールで、勢いよくラインが前方へ走っていった。「いただき!」とばかりにアワセを入れると、グングンッという心地いいジェット噴射。
丁寧に寄せてそっと抜き上げたのは、300gほどのアオリイカだ。やはり9月も中旬になれば、十分食べ応えのある大きさに育っている。