マルキューインストラクター・吉田康雄のザ・チャレンジ!第11回はサンデーオープンに参加するぞ! 栃木県小山市にある吉森へら鮒センターにて定期開催されている大会参戦の後半戦。釣り方を大きく変えて活路を見いだそうともがく吉田。結果は果たして……。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
苦境のなか1枚目手中
竿8尺メーター両ダンゴで先陣を切るも、あえなく撃沈。同尺メーターウドンセットにして活路を開くと、大会開始から1時間5分でようやく1枚目がヒットした。
「これでオデコにならずに済みました」
吉田がそう言葉をもらすほど、ウキの動きとしては最悪だったようだ。
セット開始当初はスレばかり。魚がはしゃぎ気味だったとは言え、アタっても釣れないジレンマに吉田も引き出しを総動員して対応。
何とか下バリが口に入るようになったものの、9時50分の段階で釣果は5枚と振るわなかった。約2時間弱で5枚では時間単位2~3枚のヒットペース。これはかなりの食い渋りと言わざるを得ない。
周囲からも泣き声ばかりが聞こえたが、紅一点竿7尺メーターセットで着々と数を伸ばしている女性がいた。東京都昭島市在住の細井幸代さんで通称・さっちゃん。吉田が5枚の時点でさっちゃんはすでに7枚をカウントし、さらに数を伸ばせそうなウキの動きをしていた。
竿が1尺短いのがいいのか、それともそもそも吉田よりもセットが上手なのか。いずれにしてもこの釣りをやり通せば、どうにかいい線まではもっていけそうな感じではあった。
沖めのヒゲセットを準備
ところが何を思ったのか感じたのか吉田は
と、両ダンゴ→セットの時と同様にエサ打ちを続けながら、ヒゲセットの準備を始めたではないか。
「釣れてはいませんが、ウキの動きからしてダンゴに相当アタックしている感じなんですよ。両ダンゴを食うほどではないけどダンゴには興味を示しているみたいな」
つまりウドンセットよりも接近戦ってこと?
「そういう感じなんですよね。ただ沖めのほうが魚が多くいそうな気もしますので竿を8~10尺に伸ばしてみます」
竿7尺で釣れているさっちゃんの釣りを参考にせず、あえて沖めのしかもヒゲセットとは。吉田の思考回路もとうとう停止してしまったか!?タックルとエサは下図。
ヘラ釣りにおいて正解は一つではない。これはよく言われることだが、再開した吉田の釣りを見ると、まさにそれが当てはまったようだ。
トロ巻きでもがく
ウドンセットでは動くだけ動いて釣れなかったのに、トロ巻きセットに替えた途端にウキの動きに落ち着きが見えはじめ、アタれば乗るようになっていった。ただし再開序盤こそ立て続けに釣れたものの、その後は肝心のアタリが遠のく。
「竿を13尺にします」
そして
「さらに2尺伸ばしてみます」
ウドンセットの時は、ハリスだ下バリだ、バラケタッチだ、などと詳細に詰め寄ったが、トロ巻きではそれらをほとんどスルーして竿の長さで活路を見いだそうとした。もちろん下バリの大きさや下ハリスの長さも微妙には変更したが、それよりも吉田は竿長のほうが効果的と感じたのだろう。
ところがそれをやるタイミングが悪かった。
午後は、さっちゃんを含めメーターセット組が撃沈しはじめ、吉田も竿替えの効果が出にくくなっていた。
代わりに台頭し始めたのが朝からしぶとく釣っていた段差の底釣り組。ポツポツながら着実にカウントを増やし、ついには吉田がどうあがいても追いつけないカウント数に到達していた。