冬は寒い。寒いからこそ美味しい魚が釣れる。つまり釣り人たる者、防寒の達人か化け物級の忍耐力を持っている必要があるのだ。後者は鍛錬あるのみということで置いておいて、ここでは船釣りならではの「防寒」アイテムを紹介。陸上とは異なる特殊なシチュエーションであることを理解することが重要だ。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部・小菊)
冬の船釣りの魅力
冬は寒い。1~2月は冬の中でも最も寒い厳寒期だ。そんな時期はできるだけ温かい室内で過ごそうとするのが一般的だ。ところが、釣り人という人種にとっては「冬」は異なる意味合いを持つようだ。
「冬は魚に脂がのって美味しい」。これが多くの釣り人、特に船釣り愛好家にとっての常識だ。エリアによっては回遊魚が釣りづらくなる時期でもあるため、相対的にアマダイや根魚など高級魚と言われるターゲットを狙うことが多くなる時期でもある。つまり、釣り人にとって冬は美味しい高級魚が釣れる季節、というわけだ。
防寒対策は超重要
とはいえ、魚への熱い気持ちだけでは寒さに太刀打ちができない。船上で寒さに凍えると、正直釣りどころではなくなる。体は芯から冷えて唇は紫色に、指先は凍えていうことを聞かず、細かなエサ付けや仕掛けの調整なんてもってのほか。こんな状況で頭に浮かぶのは「帰りたい」の4文字だろう。美味しいターゲットを楽しく釣るために防寒は必須項目だ。冬の船釣りを楽しむための防寒アイテムを紹介していこう。
1、アンダーウェア
防寒ウェアというと、アウタージャケットをまずは思い浮かべる方も多いだろう。もちろんアウターも重要だが、ご存知の通り高性能を謳ったアイテムは高価格だ。5万円超えはザラ。正直気軽には手が出しづらいだろう。でも安心して欲しい。実は、防寒にはアンダーウェアがとても重要だ。注目すべきポイントは素材とサイズ感。
素材
ユニクロのヒートテックなどがとても有名だが、生地は日々進化していて、自らの体温を効率よくふく射してくれるものなど様々だ。全部を調べるのは大変なので、価格で判断するのが手っ取り早い。アンダーウェアで1万円前後のものを選べば間違い無いだろう。ちなみに、生地の厚さは関係ないので、気をつけて欲しい。
サイズ感
もう一つ大事なのがサイズ選択だ。しっかりフィットするもので、かつ腕や裾などが寸足らずでないものを選んで欲しい。肌とフィットさせることで効率よく保温や吸湿を行なってくれる素材も多い。また、当然ここから重ね着をするので、初めからブカブカだと着膨れしてしまったり動きづらくなってしまったりすることが考えられる。
2、防水機能付きの防寒ジャケット
続けては、前項でも触れたアウタージャケットだ。雨の日を避けることを前提とした陸っぱり釣りであれば、極端な防水性能は不要だが船釣りは濡れる。晴れの日でも濡れる。たまに晴れ予報の日にデニムで乗船されている方を見かけるが、帰港する頃にはデニムのカラーがまだらに濃紺になっていることがほとんどだ。これは、移動中に波と船がぶつかることによる海水のしぶきが原因だ。船釣りにおいては不可避なので、天候にかかわらず防水対策が必須となる。
そして、一度濡れると冬は乾かない。さらに、濡れた身体に風が当たると恐ろしく寒い。船釣りのジャケットは防寒より防水性能を重視してもらいたい。防水がしっかりしている=防風機能も備わっていると考えていいだろう。
選ぶコツ
アウターなので、当然デザインが自分好みのものを選びたくなると思うが、首元や手首がしっかり密着するものを選ぶよう心がけよう。空気の出入りを制限することで、ジャケット内部の温度が保たれる。また、頭から潮をや雨を被ることを考えるとフードもマストだ。
3、耳まで覆えるニット帽
冬でなくても、船釣りに帽子は必須だ。熱中症対策でもあるし、怪我防止の役割もある。船上での防寒という視点でいうと、キャップやハットよりもニット帽がオススメだ。さらに、耳まで深くかぶれるモノを選ぶと良い。耳が出てるか出てないかで体感はかなり変わってくる。
ちなみに、船が走っている時は当然風をうける。キャップやあご紐のないハットなどは飛ばされやすいので要注意だ。