大阪湾の秋のタチウオシーズンは、2020年が記録的不振の年となってしまった。不安と回復への期待とが入り混じった2021年シーズンを私見で振り返りつつ、終盤戦に入った時期の武庫川一文字での実釣レポートをお届けする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
2021年の大阪湾タチウオ
タチウオが順調に釣れていたころの大阪湾の釣況パターンは、8月中旬から9月上旬ごろにベルトサイズが中心の小型のタチウオの群れが接岸し、一旦小休止した後9月下旬から10月に最盛期を迎え、寒さが厳しくなる11月から12月下旬に向けて数釣りは難しく型狙いの終盤戦、という感じであった。
ところが2020年シーズンはこのパターンが当てはまらず、記録的な不振の年となってしまった。
では2021年シーズンはどうなったかというと、9月上旬に各地で小型中心のタチウオの好釣果が見られ、特に泉南方面や須磨一文字では数々の二桁釣果がSNSに掲載され、回復への期待感が高まってきた。
しかし、その後は単発で局所的な例外はあるものの、9月中旬以降は大半の釣り場で不振に陥り、10月の最盛期は2年連続で訪れず、釣れても顔見せ程度の釣果にとどまっている。
晴れのち視界不良?
「晴れのち視界不良?」というのが私の印象だが、一方で、タチウオの聖地とも言える武庫川一文字では、10月下旬からポツポツとタチウオの釣果があり、レジェント級の常連が二桁釣果の日もあるという情報も伝わってきた。
私見ではあるが。2021年は、この先も数釣りは望めないものの、好機を逃さず釣行した釣り人が、工夫と粘り次第では、顔見せ程度の釣果に何匹かの上乗せができるかもしれないという期待もある程度は抱けるシーズンになる(なってほしい)ように思う。
激戦区の武庫川一文字へ
秋は大阪湾の多くの釣り場でも最盛期にあたるが、中でも2021年の武庫川一文字は異例事態となった。10月中旬から突如、毎日のように朝マヅメに青物が釣れ盛り、何十人もの釣り人が勝ち組に名乗りを上げる活況は、嬉しい悲鳴を通り越して、そもそも波止に渡れるか否かも危ぶまれるほどの激戦区と化した。
渡船店は乗船受付・送客のオペレーションの見直しを余儀なくされ、最大手の武庫川渡船では多客時の土日祝には、早朝便の会員制ネット予約制を初めて導入することとなったが、その予約制導入初日の10月30日、武庫川一文字に釣行した。
9時30分の便で渡提
当日はネット予約の中に大量の重複予約や空予約などがあり、キャンセルとなった約100人分が開放され、朝9時過ぎに乗船受付にこぎつけることができた。今後の備えにと会員証も発行してもらい、スタッフから予約制の概要と釣行時の会員証の持参について説明を受けた。
乗船場には私の他にも10人余りの釣り人が訪れていて、船長の誘導に従って乗船。救命胴衣の着用とコロナ対策のため船内でのマスクの着用についてのアナウンスの後、9時30分に出船した。
タチウオの釣果実績が良い5番の船着場に降り立ったものの、沖向きの梯子をビッシリと埋め尽くした釣り人とロッドの多さに圧倒され、渋々この付近での釣りは断念。東に歩を進め、4番と5番の間で空いた場所に釣り座を構えることにした。
武庫川一文字の詳細については、「大阪湾の沖波止紹介:武庫川一文字 管理行き届いた運営で安心安全釣行」を参照してもらいたい。