アジングでは感度が命である。非常に繊細なバイトを出す魚なので、感度が鈍いと、どうしても釣れ渋る。今回は、アジングにおける釣りの感度を上げるための方法を解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
感度は非常に重要な要素
まず、アジングでなぜ感度が重要といわれるか。これは、釣れるか釣れないか、というよりは、アジが「いるかいないか」を判断する意味合いが強い。
アジの捕食は0.2秒程度といわれる。このスピードには到底、人間業では追いつけない。つまりどこまで感度を上げても、アタリ即アワセは、ほとんど不可能なのだ。アワせたつもりでも、その時点で、魚は実は乗っている。アワせるとむしろ口破れするかすっぽ抜けることが多い。とはいえ、居食いなどに素早くアワせるために、感度はむろん高い方が良いが。
何よりも「いるかいないか」だ。これを判断するために感度を上げる。必ずいる場所を除いて、アジはその日の機嫌次第で、本当に微妙なアタリを出す。レンジも10分間に50カウントくらい変わったりする。そのような動きを追跡し、アタリが出るか出ないか、そのアタリを捉えられるか、という点で、アジングタックルの感度は重要となる。場を見切りながらポンポンと釣っていくときに感度は命なのだ。
では、その感度をどのようにして上げるか、次の5つのポイントを見ていこう。
その1:ラインの細さ
まずはライン感度だ。アジングではエステルラインを使用することが多い。硬いラインで比較的アタリはわかりやすいが、PEラインよりは若干曇った感触にはなる。では、そのようなライン感度をどうして向上させるか。答えは、「細くすること」、これしかない。
0.2号~0.25号でいこう。0.3号まで上げると、少々太い。エステルラインは、アジング一本、他のゲストが出ないというならば、最細号数の0.2号で十分強度的にも足りる。尺クラスでも200g程度の重さしかないので、0.2号(約1lb=450g負荷に耐える)でも十分なのだ。
ラインを細くすることで水中での抵抗が少なくなり、アタリが手元に伝わりやすくなる。
その2:ジグヘッドのウェイト
ヘッドのウェイトは、アジングにおいて、「アタリが出ない限りは、その海の条件で通用するウェイト内で、なるべく軽くする」が基本となる。アジはエサを吸い込んで捕食する魚だが、その吸い込み力は弱い。
特にショアにほとんど居着いて一日中プランクトンをメインに食っている群れは、食性上アタリが小さいうえに、おなかがいっぱい近くになると、それでも体力温存のために食べはするのだが、ごくごく小さいウルトラショートバイトを出す。
重いヘッドを使っていると、そもそもその吸い込み力やアジの捕食姿勢にリグが合わせられず、群れを通過してしまうか、アタリとして手元に伝わらないワームの尾っぽの後ろを噛むくらいのバイト(ともいえないもの)しか出ない。
そこでヘッドを限界まで軽くして、まずは、アジが吸い込めるウェイトにする。そうすることで、アタリが明確になってくる。
その3:ガイドの素材
ロッドは間違いなくアジングの釣果を分ける。専用ロッドはアジングでは必須だ。詳しく踏み込んだ部分は別の機会に詳述するとして、ここではガイドの素材だけに触れる。
ガイドの素材はハードステンレスガイド、なるべくならば、その中でも硬度が高いガイドが望ましい。ラインから伝わる反響感度が上がる。チタンのような高級素材までいくとアタリの出方が変わることはもちろん、飛距離が伸びるというアドバンテージもある。
その4:リールの軽さ
リールの重量は、アジング感度面では比較的後の方にくる問題ではあるが、気になる人はとことん追求する。1000番手2000番手、最軽量145gくらい。重くても200gくらいまでに留めるのが、ロッドとのバランスを考えたときに、アジングでは望ましい重量だ。
巻きの釣りを好む人は、やはりリールの軽さを追い求めた方がいい。特に、ハンドル周りの肉抜きだ。反響感度が上がり、巻きアタリがとりやすい。レンジキープや「止め」の釣りでは、ほぼスラックを取るだけのリーリング作業なので、あまりリール感度は関係がない。