今回は昔にタイムスリップして馬素ラインの「古式テンカラ」と、現代主流のナイロンラインで、振りやすさやキャスティング精度などを比較検証してみようと思う。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター片桐真流)
養沢毛鉤専用釣場で検証
当方のホームリバー「養沢毛鉤専用釣場」で実釣してテンカララインの扱い具合の比較をしてみる。
今回使用するテンカラタックルは、竿はKEISON Tenkara Fly Combo330、ラインは馬素/ナイロンテーパー、毛鉤はフック#12だ。
馬素ライン検証
小渓流の3m先の岩場ポイントに打ち込んでみる。馬素からキャスティングしてみたが、撚り込まれたテーパーが付いた馬毛が水に濡れると適度な水分が含まれて程良いライン重量感になり、狙ったポイントへストレートにキャスト出来た。
人によっては「重い」とか「おつり返りが大きい」と感じるかもしれないが、当方フライラインに慣れているせいか、このくらいの重量感が、振っていて心地良く感じた。
感覚としてはターゲットポイントを絞ったシューティングラインといった使い方に向いているのではないだろうか。
逆さ毛鉤で数匹の釣果あり、レギュラーサイズのニジマスの引きにも、馬素は十分対応可能な強度であった。
ナイロンライン検証
同じポイントでナイロンラインの撚りテーパーラインでキャスティングしてみたが、ラインの巻きグセが水に馴染んで直ってくるのに時間を要した。軽く振りやすい感触であったが、毛鉤先端まではストレートに力が伝達されずフワッとした着水アプローチとなり気味であった。
ポイントによっては馬素より違和感の少ない有効なプレゼンテーションになると思う。ラインを水に馴染ませる下準備が必要であろう。こちらも同様に数匹の釣果があった。
検証結果
馬素とナイロンラインの比較をしてみたが、明確なスポット的なターゲットポイントには馬素、探りを入れる広範囲なアプローチにはナイロンラインが向いているように感じた。個人的には馬素の重量感、キャスティング精度、振り心地が優勢であった。
双方良さがあるので、使い分けをしながら感覚を掴んでいきたいと思う。フィールド環境や好みによってラインを使い分けて、シンプルなテンカラ釣りを楽しんでみてはいかがだろうか。
<片桐真流/TSURINEWSライター>