冬の室生ダムは大型ヘラブナが釣れる魅力いっぱいの釣り場だ。今回はこれから突入する寒期の大型ヘラに的を絞って攻略法を説明したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・久保一美)
室生ダムのヘラブナ
昭和60年頃から、西日本へら鮒釣連合会が主体となり、漁協、エサメーカー、日本釣り振興会などが本格的なヘラブナ放流を実施したことで、今や関西屈指のヘラブナ釣りができるダム湖に成長したのが室生ダムだ。2020年8月にはブラックバス、11月にはワカサギ釣りがオープンした。
特にヘラブナにあっては、年々大型化し、春の乗っ込みに関係なく、夏から秋、さらには寒期の12月中旬に52cmという大型のヘラブナも釣れている。
重要なのは水位
では、この時期の室生ダムの状況から説明していこう。室生ダムで特に大切な要因が水位である。12月10日現在、満水位まで5mといったところ。年末には、ほぼ満水位になり、ヘラブナはミオ筋(水に動きがある)を中心に居付く傾向がある。また、時期的にも水温が低いことから、どうしてもポイントによる食いムラがあり、「昨日は釣れたのに、翌日はアタリもない」ということがよくある。
室生ダムでは12月5、6日に8寸から尺級のヘラブナが約1.5トン放流された。これによって地ベラ(元々居たヘラブナ)の活性が上がっている状況だ。前述のように、年末には満水位になることを想定し、竿の長さや仕掛けなどを考えたい。
タックル&エサ
この時期は水深のあるポイントがメインになるため、竿は18尺以上が必要。道糸、ハリスは春から秋の仕掛けではなく、道糸は1.2~1.5号、ハリスは0.6~0.8号で十分だろう。ハリは使用するエサによって異なるため、号数の変化を中心に考える。
そのエサだが、ダム湖であっても管理池であっても、一にも二にもヘラブナを「寄せる」ことが先決だ。この時期に限って私は、バラケとグルテンをオススメする。しかも、狙ったタナにしっかりと入る「ダンゴの底釣り」で夏、冬を50~70cc入れる。
12月10日の実釣時のエサブレンドは、凄麩400cc、ガッテン200cc、グルバラ200cc、ダンゴの底釣り冬50㏄に水200ccを混ぜ合わせてから3~4分放置したもの。
この状態で、両ダンゴ狙いで打ち始め、ヘラブナの「さわり」「気配」があれば、食わせエサとしてグルテンエサの、わたグル50ccに水約80ccを混ぜ、3~4分放置後、固まればOK。
ハリスの段差は、コンスタントにアタリが出る状況なら10cm程度に、アタリが出ない、遅い、渋い場合には30~40cmの段差が必要だ。
釣り方のキモ
では実際に筆者が気を付けている釣り方のキモを紹介したい。まずはバラケエサをバラケさせすぎないこと。手水で芯残りさせるべく、エサの経時変化を抑え、タナまで持たせる。どうしてもヘラブナがバラケの粒子を吸うことから、「芯残り状態」のバラケを作ること。
次にグルテンは少量を作ること。食わせのグルテンは一度にたくさん作らないことである。できれば30㏄、もしくは50㏄程度を作る。理由は新しいグルテンほど反応が良いからだ。