メバルは賢い魚だ。特にメバリングにおいて、同じ場所で釣り続けることは難しい。今回はメバルをスレさせず、同じ場所でサイズを伸ばすためのリリース術などを紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)
リリースは離れた場所で
まず、メバルを釣る。リリースメインのライトゲーマーの場合、写真撮影するか、まあそのままリリースすることになる。フィッシュグリップでつかんで、海にポン、だ。
しかし、同ポイントで釣り続けたい場合、または釣り場所が限定される場合、この単純なリリースはよくない。特に海面から遠いところからポンと離すと、メバルが海に落ちていくときの音が大きくなり、その音で群れにプレッシャーがかかる。
「そんなおおげさな」と思うかもしれないが、これは実際そうだと思う。確かに1匹2匹程度なら影響がないが、釣り続けていくうち、その「音」の回数が重なると、確実にプレッシャーがかかる。「潮もいいし、静かな釣りをしているのに、なぜか釣れなくなったな…」という経験をしたアングラーも多いのではないだろうか?
それは、やはりリリース音の蓄積にスレているからだと考えた方がいい。またメバルにかかわらず、魚はリリースすると仲間に「言いつける」と言われる。これも故なきことではないだろう。
魚を放す際には、必ず釣った場所から少し離して、海面に近いところで優しくリリースするのが鉄則である。
良型メバルこそリリース
メバルは一年に3cm程度しか大きくならないといわれる。成長が遅い魚の部類に入る。そこで、小さすぎる魚はもちろん、大きめの魚こそ、リリースしたい。
たとえば27cmのメバルが釣れたとする。それが自己レコードのメモリアルフィッシュだとしても、ここはやはりリリースだ。特にそれが自分しか知らないような極秘ポイントである場合は、必ず次のシーズンに30cm級になって戻ってくる。ライトゲーマーの憧れである尺メバルのポテンシャルが出てくるのだ。
私も実際そうしている。25cm級以上は、リリース。22cmくらいなら、煮付けにしてもよし、刺し身での食いでもあるので、持って帰ることもある。
長く釣り続ける方法
リリースの話に関連して、ワンポイントで長く釣るための方法について、考えてみる。
キワのリトリーブ
まずはキワのリトリーブだ。それも潮の条件によっては、波動の大きいシャッドテールのワームから通す。キワといっても、微妙にコースをかえながら、三方向、そしてノーマルリトリーブ⇒スローリトリーブという切りかえで、まず6種類のパターンでメバルが数尾釣れる。シャッドテールにスレたと思っても、カラーをかえれば、もう何匹か追加できる。
「静」のレンジキープ
そこからは、「静」の釣りに切りかえる。0.6g程度のジグヘッドにピンテールワームをセットし、表層をレンジキープする。アジングのようにちょんちょんとアクションを入れてやると、それがきっかけになって食ってくる。これもキワのコースかえで三方向。そして、次にちょんちょんアクション皆無の、「サイレントレンジキープ」で三方向。これでかなり数が追加できる。
「サイレントレンジキープ」は、軽量リグを使えば、ただラインスラックをとるためのリーリング、ロッドはやや立て気味にするだけで、PEそのものの浮力もあるのでかなり簡単にできる。習得しておくと、アジング、またスレたチヌにも使えるので、非常にいい。
また「三方向」と繰り返しているが、これは、立ち位置から「右・左」のキャストにすることで、1つの釣り方で「六方向」の釣りができる。ただ、キャストする手、リールを巻く手によって、釣り人により「気持ち良い方向」は異なるはずだ。そこで右・左どちらかに限定して釣った方が、疲れずに釣れると思うので「三方向」を基本に考える。