10月30日に新ベラ(約1.5t)が放流された千葉県富津市にある戸面原ダム。放流当初のフィーバーは11月中頃には落ち着くだろうが、放流効果で地ベラの動きも活発になる。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 熊谷充)
戸面原ダムの状況
ブラックバス釣り場として開放され、はや数年目を迎えた「戸面原ダム」。平日でも多くのバサーが訪れてにぎわいを見せているが、ヘラの人だって負けていない。平日こそ少人数だが、土日などはまだまだ熱いファンが大勢いる。それぞれ目的は違うだろうが、多くの人は同湖自慢の良型地ベラを期待した人たちだ。
であれば新ベラはかえってジャマ?いやいやそれは逆で、新ベラが入った今だからこそ、良型地ベラの期待はさらに高まる。放流直後こそ新ベラのフィーバーが続くが、これが落ち着けば地ベラが徐々に交じりだすだろう。
10月30日に放流されたのだから、想像ではあるが、ちょうど新ベラの群れも分散をはじめ旧ベラの動きにスイッチを入れるころだろう。そうなると新旧入り交じっての釣りが楽しめ、数も型も狙えて面白い釣りが展開されていくだろう。
ヘラ釣りのポイント
戸面原ダムには、大きく分けて底釣りと宙釣りのポイントがある。
後者の代表格は杉林下や寮下だろう。とくに桟橋から至近の杉林下はエサ打ち回数が多く魚が寄りやすい。舟着けも容易なので同湖に不慣れな人にはお勧めのポイントだ。
後者に関しては数えきれないほどポイントが点在するが、可能なら竿21尺以上で底に届く所が狙い目。まずは長竿で底釣りから始めて、魚が上ずってくるようならチョウチン釣りに切り替えればいい。
水深が深い底釣りの利点は、何と言ってもアタリの持続性。それと良型地ベラが交じりやすい点だ。新ベラだけを狙うなら21尺以内でもOKだが、良型地ベラを交えた展開を望むなら、長竿もしくは超長竿ゾーンの底釣りがお勧めだ。
釣り方とエサ
戸面原ダムでの基本的な釣り方を紹介しよう。
宙釣り
竿13~18尺でタナはチョウチン、エサはグルテンセットまたは両グルテンが今後の主体になるだろう。日当たりのいいポイントで条件さえよければタナ2本前後まで魚は上がってくるかもしれないが、開始時からそのようなタナで狙うのはリスクが大きい。
気を配りたいのがハリス段差。新ベラの固め釣り状態なら段差は10~15cmの狭めでいいが、新旧交じりもしくは良型地ベラ相手なら30~60cmと広めに取りたい。アタリの取り方にもひと工夫したい。新ベラならナジミ途中の変化系アタリでも積極的に狙っていくが、地ベラなら一度は深ナジミさせてそこからのアタリを狙う。
底釣り
新旧問わず底の状態がいい場所を探すことが大前提。そのような観点からするなら、常にエサが打たれている人気ポイントに入ることだ。エサが打たれているなら底の清掃も完璧なはずだし、根掛かりなどもおそらく少ないはずだ。またフラットよりもカケアガリの底を狙ったほうがゴミなどは少ないはず。
ただし、ピンポイントにエサを落とせなければ意味がない。そこで穂先~ウキ止めは、できるだけ短くなるチョウチンでの底釣りが理想的だ。
もし今の仕掛けの長さで底に届かなければ、舟を斜めに向ける。逆に傾斜に対して正面を向いてもウキ上が余り過ぎるようなら仕掛けを切るとか竿を短くして、とにかく毎投同じ位置にエサが着底させたい。
エサはグルテンセットまたは両グルテンが定番だが、活性が高かったり上ずりが激しい時は両ダンゴにする。なお初冬までは、寄せながら釣り込めるグルダンゴも面白いだろう。
<週刊へらニュース 熊谷充/TSURINEWS編>