船釣りは初めて釣りをする人にとって、非常に心強く楽しめるものです。「釣りは初めてだけど、船に乗って釣ってみたい」という人へ、船釣りマニュアルを紹介。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
2つのサカナ釣り
サカナ釣りは陸地から竿を出して釣るいわゆる「陸っぱり」の釣りと、船に乗って沖に出て船上から釣る「船釣り・沖釣り」があります。
前者の陸っぱりには防波堤や砂浜、釣り公園などの施設なども含まれます。また、船には乗るけれど、船で行く先は波止であったり、岩場であったりと、船は利用するけれど釣りは陸地でという釣りもあります。後者の船釣りは船に乗って沖へ出て、釣りをするのも船の上という釣りです。
一般には手軽でファミリーにも人気が高いのは波止釣りでしょう。自分で好きなようにできるのもその理由の一つです。ただし、慣れた人がいないと、釣り場で迷ったり、本来なら釣れたはずの魚も、釣り方などを知らないがために釣れなかったということもあります。
「船で釣る」とは
船釣りとは、その名の通り船から竿を出す釣りの方法です。沖へ出て釣るので「沖釣り」とも呼ばれたり、エサを使わず、ルアー(エサに似せた疑似エサ)を使って釣る人の間では「オフショアフィッシング」とも呼ばれます。いずれにしても、船長がサカナの居場所に連れて行ってくれるので、釣る側としては、仕掛けをチョイと落とせば釣りがスタートします。
さて、船から釣りをする場合、おそらく初めての人が心配なのは乗り物酔いではないでしょうか。船酔いの対策としては、「よく寝る」、「酔い止め薬を服用する」などの他、慣れることで克服できることもありますが、どうしても無理な人もいるようです。
船釣りを楽しめるかどうかは、船酔いするかどうかで分かれるといっても過言ではありません。が、「自分はきっと酔うハズ」と思っている人でも、酔い止め薬を服用して乗ってみると、以外に酔うことがなかったなんて話をよく聞きます。
職漁船と遊漁船
サカナを釣る、採る船としては、漁業を生業とする職漁者が乗船するいわゆる職漁船と、一般の人が乗って釣りができる遊漁船があります。小規模な職漁専門の船は船長1人、または数人が乗り込んで、サカナを採ります。サカナを採る方法が竿での釣りあったとしても、職漁船は職漁船です。そのような船は、常に漁業者として乗り込む人にとって、サカナを効率よく採れるよう船の中も船内をカスタマイズしています。
一般の人が乗って釣りができる遊漁船には、不特定多数の人が楽しめるような設備が設置されています。たとえば、荷物だらけで船の縁に立つこともできなければ釣りはできませんから。いわば、食堂のテーブル、居酒屋のカウンター的なイメージと思ってください。決められた場所に座ってしまえば、釣りをする上ではあまりウロウロする必要もなく過ごせるという訳です。
乗合船と仕立船
遊漁船はさらに乗合船と仕立船に分けることができます。乗合船は市バスのようなもの、仕立船はタクシーやチャーターした観光バスのようなシステムと思っておけば間違いないでしょう。
乗合船は見ず知らずの人たちが、バラバラに申し込んで集まってきます。いわば、他人どうしの集合体です。どんな人が一緒に船に乗るかは分かりません。また、その日に何人が乗船するのかも聞いてみなければ分かりません。
対して仕立船は、その日の船を1隻丸ごと貸し切るスタイルです。そのため、「貸し切り」や「チャーター船」などとも呼ばれます。グループや家族水入らずで楽しむことができるシステムで、もちろん、こちらで集めた人以外の釣り人は乗船しません。