前回、土砂降りで断念した浅場のウキダンゴ釣り(紀州釣り)の検証を行うべく、3月22日も中浜名湖へ向かった。見事に乗っ込みクロダイを手中にできた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・佐々木博司)
ウキダンゴ釣りでクロダイ狙い
前回の場所は工事で入れなかったので、仕方なく乙女園の浅場に移動して座を構えた。水深は約1ヒロ、1.5mの場所だ。ダンゴは前回の残り物を冷凍保存したもので、配合はマルキユーのウキダンゴX1袋、細びきさなぎ300㏄、チヌスパイス300㏄、おからダンゴ1750㏄、ニュー活さなぎミンチ激荒5分の1袋で挑む。
ポイントにダンゴを3個打ち込み、程なく支度を済ませ、ハリにオキアミを付けて投入。1投目からエサ取りにサシエサを取られ期待が膨らんだが、その後は全く取られず、オキアミもそのまま戻ってくる。そんな状況が2時間ほど続き、たまりかねて場所移動。
しかし、移動した先でも同じ状態に陥った。タナの調整ばかりに気を取られ、すごく単純で基本的なことにそのときようやく気付いた。海水がいつも以上にスケスケなのだ。濁り多めのダンゴの配合とはいえ、あまりにもクリアな海水にクロダイは普段より警戒しているのだろうか。まったく反応がない。
さらに潮のいい時間を見送ってしまい、やる事なす事が、すべて裏目にハマる事態になった。当日は中潮。ここは気を落ち着かせ、日中の潮が低いときは意気込まずに軽く流す釣り方に作戦変更。夕方の時合いに備えてダンゴを温存する。浅場なだけに干潮時はさらに浅くなる。そして海水も透けているので、クロダイがエサを食う条件が成立していないのだ。
フグの後は本命クロダイ?
午後2時ごろ、潮が上げに変わったタイミングでダンゴを打ち込み、新たにステージを作った。ダンゴからサシエサが抜けると、ウキにわずかな生体反応が出た。消し込まないウキを静かに回収して仕掛けをチェックすると、サシエサがバッチリ取られている。おっ、チャンスだ。フグがいる!これは期待できるとヤル気スイッチ全開。
次の投入でウキが1メモリ押さえ込まれ、アワセを入れるとフグがハリ掛かりした。久しぶりに魚が掛かり、フグでもうれしい。そこから数投打ち込むと、怪しい前アタリが出た。慌てず様子を見ていると、理想通りの本アタリ。スーッとウキが海中に入っていった。間髪入れずアワセを入れるが、水深2m強、激しくアワせればラインブレイクする。軽めに鋭くサオを立てると、ズッシリした感触が腕に伝わってきた。
よしっきた、本命だ!しかし、ポイント両サイドにはパイルが入っており、終始注意が必要だ。最初はサオを立ててわざと沖に走らせながらクロダイの体力を奪う作戦。巻いては走らせを数回繰り返し、なんとか無事にタモ入れに成功した。
再び良型クロダイヒット
ホッと一息つき、再び同じパターンでダンゴを打ち込む。しかし当然のことながら、浅場のクロダイを走らせれば群れは散る。ここは再び寄せることに全神経を集中。ひたすら打ち返した。
すると15投目で再び怪しい前アタリ。様子を見ていると、またまた理想的な本アタリでウキが海中に入った。バッチリアワせてしっかり乗せた。途端にクロダイ自ら沖に猛突進!これは先ほどよりさらにパワフルだ。
ギリギリのバトルを制す
良型は沖に走ることが多い。逃したくない。なんとしてもタモ入れせねばと焦る気持ちを抑えながらの攻防。すると懸念していたパイルに向かって一気に走った。一度沖に走らせてから、手前のパイルにクロダイが突進するより速いスピードでイトを巻き取らなければならない。
半ばゴリ巻きに近いような巻き取りでクロダイの進行方向を変え、それと同時に浮かせにかかった。ユラユラと銀色の魚体が見えてきたときにはパイルの寸前。ヤバい巻かれる!
さらにサオを寝かせてパイルから引き剥がし、なんとかセーフ。と思うが早いか、今度は反対側のパイルに走りだした。なんて馬力だ。しかし既に体力を使い果たしたのか、向かったパイル寸前でフワっと浮いてきた。チャンスとばかりにタモ入れ成功。勝負あり!肩の力が一気に抜けた(笑)。
今後の展望
一日分楽しませてくれた気持ちになり、釣れてくれたクロダイに感謝した。そこから同じパターンで投入したが、次にきたのは手のひらサイズのチンタちゃん。激戦の後だけにほほ笑ましく思え、これをきっかけに納竿とした。まだまだ乗っ込みの最中。今後さらに楽しくなるだろうと満足しながら釣り場を後にした。
<週刊つりニュース中部版 APC・佐々木博司/TSURINEWS編>
中浜名湖