侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:犬吠埼沖アカムツ攻略法

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秋には、産卵のため高級魚「アカムツ」が浅場に上ってきますが、最近では、通年釣れる魚になってきているようですね。特に千葉・犬吠埼沖では冬から春にかけ、良型交じりに数もコンスタントに上がっていますが、釣り方の基本と留意点を是非教えて下さい。

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(アイキャッチ画像提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

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近藤 惣一郎

医学博士・京大卒。SOグレイスクリニック院長。脳外科・美容外科専門医。DAIWA沖釣りフィールドスタッフ。ロンリー侍ドクターとして各種メディアで活躍中。

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船釣り エサ釣り

犬吠埼沖アカムツ釣り方の基本

犬吠埼沖は、水深の変化はあっても基本的に起伏は少ない砂泥底です。根掛かりの心配はほとんどなく、一流しも長くなります。仕掛けの投入と回収は基本的に初めの投入以外は、各自の判断で自由に行えることが多いです。

オモリが着底したらイトフケをとってサオ先を上げて1mほど底を切ります。船の揺れも利用しながらオモリを着底させたり離したり、つまり、オモリで底をトントン叩くことを基本にしています。

状況によって、オモリを底に着けたままイトを張って待つゼロテン釣法や、ゆるませたあと聞き上げたりもしましょう。サオ操作やリーリングで、すこし上まで誘い上げたり、また再び底まで落とし込んだりも良いです。

侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:犬吠埼沖アカムツ攻略法誘いを駆使してヒットに持ち込む(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

手持ちでアタリが出にくいときは、あえて置きザオにして、船の揺れを利用していることで、アタリが出ることもあります。魚が掛かったのが上バリか下バリかによって、当日のタナの傾向を判断し、上ずっているときは捨てイトを長く、逆に魚が底に貼り付いているときは捨てイトを短くすると効果が出ることが多いです。

アカムツのアタリは、200m以上の水深であっても「キュンキュン」と明瞭です。アタリが出たら追い食いを狙ってしばらく待つのも良いですが、基本は大切に一匹を仕留めます。

巻き上げは中速で、竿を必ず手持ちで、船の揺れで変化するラインテンションを出来るだけ一定に保ち、大切に巻き上げます。もちろん最後は丁寧にタモですくいます。いずれにしてもしっかり海中をイメージしたうえで、それぞれの誘いを行わなければなりません。そしてその日、その状況でのアタリパターンを見つけ出すのです。潮の流れがよく、サバの邪魔やサメの攻撃が無ければ、アカムツの魚影が濃い犬吠埼沖では規定数の10匹を仕留めることもけっして珍しいことではありません。

潮が速い時はワンチャンスで勝負!

潮の流れが素直な状況であれば、先述の基本釣法で釣れるのですが、実際、犬吠埼沖は黒潮の影響も受け、潮が非常に速い場合も珍しくありません。潮の流れが非常に速い場合は、やはりまったく違った釣りになり、難易度があがります。魚影は濃くても、いかに一匹を仕留めるか、といった状況になることも多いのです。その場合の留意点と対処法を紹介します。

まず、仕掛けの投入や回収は船長の指示に必ず従うことになります。自分勝手な投入はオマツリの元になるので控えましょう。潮の抵抗を受けにくくするため、中オモリや水中ライトは外しましょう。またミチイトの太さは事前に船宿に確認して厳守しましょう。通常は4号ですが、それより太いと抵抗が増し、底取りが出来なかったり、オマツリが頻発してしまいます。

仕掛けを投入し着底が近づいたら、とにかくサオ先とイトの出を注意深く観察し、オモリが着底する瞬間を見逃さないことです。その瞬間ミチイトの出を素早く止めます。

オモリ着底で即座にミチイトの出を止めていれば、オモリは転がって行き、イトフケは自然に取り除かれ、やがてオモリは浮き上がって行きます。通常、着底後素早くリーリングしてイトフケを取り除きますが、それを行うと直ぐにオモリが浮き上がってしまい、その後また着底させようとイトを出すことでどんどんイトフケができ、ミチイトの角度が斜めに大きくなっていってしまいます。

侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:犬吠埼沖アカムツ攻略法試行錯誤して本命を仕留めよう(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

潮が速い時は、このあと再着底するためにイトを出すことは出来ません。このオモリ着底から浮き上がってしばらくの間のワンチャンスで勝負するのです。捨てイトが長いと上バリのエサは勿論、下バリのエサも直ぐ浮き上がってしまうので、捨てイトは短くすることも基本です。

また、ホタルイカエサに付属してつける短冊やマショマロボールなども抵抗を増す要素になるので、アタリが出ないときは通常よりは減らしたり、つけないことで奏功することがあります。

サバが多い時は

速潮と同時にこの海域のアカムツ釣りで釣り人を悩ませるのはサバの猛攻です。丁寧にエサ付けして仕掛けを下ろしても、サバがハリに掛かってしまうと全てが台無しになります。アカムツをいかに仕留めるかは、いかにサバを避けるかにかかっていると言っても過言ではないのです。

サバが多い時は、視覚的にアピールしているものを取り除くことが第一です。先述したカラーのイカタンロールもサバが多い時はよくありません。色を目立たないカラーにするか、外してサバ・サンマ短冊に変更したり、ホタルイカのみにするのも手です。またサバはアカムツよりは上ずるので、捨てイトを短くしたり、誘い上げや高い位置からの落とし込み誘いは行わず、底中心に静かな釣りを心がけることが大切です。もちろんこの場合も水中ライトは外しましょう。

高級魚アカムツに挑戦しよう!

魚影が濃い犬吠埼沖は釣り人注目のアカムツホットスポットです。条件の良い日はもちろん、潮が早く変化する時も、釣法やアイテムを工夫し、またサバをかわすことで、より安定した釣果を得ることが出来ます。ノドグロとしても名高い最高級のアカムツは食味も抜群!是非チャレンジを!

侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:犬吠埼沖アカムツ攻略法アカムツの塩焼き(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)
▼この釣り場について
犬吠埼沖

<近藤惣一郎/TSURINEWS・WEBライター>