冬の厳寒期から春先にかけて、食べて美味しい、釣って楽しい旬のターゲットであるヤリイカ釣りが佳境を迎えている。2月23日は、それまでの好調さとは反して、かなりの乗り渋りがあったが、プラヅノから浮きスッテに変更して、何とか良型のヤリイカを仕留める事ができた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・兵頭良弘)
川口渡船で若狭大島沖ヤリイカ釣り
このヤリイカ釣り、近畿圏で専門的に狙っているのは日本海側で営業する船宿が多く、今回はそんな中でも連日、好調な釣果を上げている福井・若狭大島の乗合船「川口渡船」を利用し、2月29日に釣友3人とともに同沖へ出てみた。
午後3時過ぎ、港を出船すると約1時間ほどで水深70m、底が砂地のヤリイカポイントへ到着。到着後、すぐに船長が、アンカーを入れて船を安定させ、船が落ち着くなり「ちょっと時間早いけど、1パイでも釣れるかもしれんから、とりあえずやってみよか」とデッキに出てきてスタートの合図。
左舷側のトモから竿を出す事になった私も、まずはラインが絡まないよう手元で仕掛けを捌きながら竿下にオモリを落とした。
まずは基本的な攻め方で
そして、オモリがボトムに着くと、糸フケを巻きとって大きく竿を持ち上げて5秒ほどステイ。アタリがなければ次にリールのハンドルをゆっくりと回しながら竿先を海面近くまで下げていき、再び、ステイ。
ヤリイカ釣りではこのステイの時間とタイミングが釣果を上げるための重要な鍵を握っていると言っても過言ではない。マイカ釣りでもそうだが、イカ釣りでは誘った後のステイの時間帯にアタリが出る事が多い。特にこの動作時は竿先に神経を集中しておく事が大切なのだ。
点灯から1時間後に船中1杯目
この誘いパターンを、ボトムから約10m上まで繰り返し、ヤリイカのアタリを聞きアワセで拾っていくのだが、あいにくこの日はヤリイカの機嫌が悪く、船中で1パイ目のアタリが出たのは集魚灯が点いてから1時間ほど経過した午後7時になってからだった。右舷中央で竿を出していた釣友にきたものだが、アタリのあったタナを聞くと、ほぼベタ底だったと言う。
プラヅノより浮きスッテに好反応
通常、ヤリイカを釣る場合の仕掛けとして良く使用されているのが「プラヅノ」と呼ばれるもので、標準サイズは11cm、14cm、18cmの3種類。色はブルー、ピンク、レッド、ケイムラなどがある。
しかし、当日はこのプラヅノに全く興味を示さないヤリイカ。その後、ポツリポツリと私を除く釣友たちがヤリイカをヒットさせたが、やはり、ヤリイカが興味を示しているものはマイカ釣りにも使用されている浮きスッテで、色は定番の赤白、赤緑の2色を好んでいる様子だ。
浮きスッテに変更で本命手中
午後9時過ぎ、プラヅノに見切りをつけてエダス5本の内、4本を浮きスッテに変更した。
誘い方もオモリがボトムに着いたら、糸フケを取った後、竿先を大きく空へ向かって突き上げ、そのままストンと落としてステイでアタリを待つ誘い(船長直伝の誘い方)を数回試してみたところ、3回目のステイに入った時に竿先がようやくグイグイグイッとイカ特有の締め込みで海中へと突き刺さった。
「やっと来たわ」とひとり言をつぶやいて電動リールの巻き上げスイッチをオン。スピードレベル13で一気に水面まで巻き上げ、船のデッキに抜き上げたのは胴長27cmのヤリイカだ。
このイカ、やはり読み通り赤白の浮きスッテに乗ってきたが、その後は色、スッテに関係なくポツリポツリと反応が出るものの、それも30分ほどしか持たず、再び沈黙の時間が流れた始めた。