この冬は異常な暖冬。そのせいか大阪湾各地の釣果情報は意外にも賑わいを見せている。2月になっても最高気温が15度との予報を聞いては、家でジッとしていられない。そこで、2月15日に神戸第8防波堤に釣行した。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)
ベテラン釣り師にデカアジ
8時前、ベテラン釣り師がデカアジを釣り上げた。「このサイズやと値打ちあるわな」と笑顔で即、締めにかかる。ベテラン師のウキサビキ仕掛けはデカアジ最優先のようで、マキエカゴは船釣りのテンビンカゴに近いもの。
テンビンの先には3本の枝ハリスを付け、小さなオキアミを刺している。一度コツを掴めば経験と腕前に勝るベテラン師が本領を発揮する。4人並んで竿下での釣りをしていても、デカアジを拾うのは経験と腕前に勝るベテラン師ばかり。
私と若者たちは、小アジこそ拾えるものの、うらやまし気な視線を送るばかり。
ところが、8時半頃に若者たちから「やったー、デカアジや」と歓声が上がり、私だけが取り残される形になった。
デカアジのダブルヒット
小アジも釣れるペースが落ちてきた。時合いはそう長くないが、ここで諦めるわけにはいかない。粘り強く続けていると、9時半頃、仕掛けを投入し底取りをするタイミングで強い引きが伝わってきた。
小アジとは違う感触だ。これは・・・と慎重に巻き上げると、海面にデカアジ2尾の姿が見えた。抜き上げも成功し、釣り上げるまでの衝撃を極力抑えるための、両軸リールにゴムクッションの組み合わせが功を奏したようだ。小アジと比べて際立つ存在感のデカアジを見て私はニヤニヤ。周りからも「おっ!」という嬉しい笑顔を貰えた。
居ないハズのアジが釣れた?
この後は小アジ1尾を拾い、アミエビを使い尽くした後は、落とし込み釣りにトライしたが、エサ取りのアタリだけで不発。最終釣果はデカアジ2尾と小アジ12尾で納竿、12時の迎えの便で波止を後にした。
乗船場に戻ると、一部の釣り人が残って船長に報告を兼ねての釣り人談義。大物は上がらなかったが、それぞれに釣果はあったようだ。船長に今後の見通しを聞くと「この暖冬で、正直わからない。自然は読めない。今釣れているアジも、秋の居残りアジやメクリアジとも違う。この時期、神戸港にアジが居るハズがない」と予測不能状態。
居ないハズのアジが釣れた・・・とはミステリーなのか、自然の恵みなのか。釣果のアジは鮮度抜群。塩焼きにしたデカアジも、唐揚げにした小アジも、お惣菜には十分過ぎる夕食の主役となって舌と心を満たしてくれた。
<伴野慶幸/TSURINEWS・WEBライター>