伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「昔からあるグルテンアルファ21」。繊維系グルテンの代表格とも言えるこのエサを釣り人は親しみを込めて「21」と呼称する。今回はどう使うのか、使用例などを含めて考えてみたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
グルテンアルファ21の特徴の活かし方
前号ではグルテンアルファ21の特徴について考えてみましたが、ではその特徴を実際の釣りにどう生かせばいいのか、今号では考えてみたいのですが?
「最大の特徴は繊維質が強くハリに残りやすいってことだから、それをどう生かすかってことになるよね」
まず考えられるのはセットの食わせとしての役目でしょうか?
「そうだね。たとえば上バリにバラケで下にグルテンだとするなら、ボクは単品で使うことがほとんどかな」
混ぜ物はしないと?
「そっ。アルファ21単品を硬めに作って、それを小さくハリ付けして食わせる」
小さくですか?
「大きくする意味がないしね。感覚的にはウドンセットと似てるけど、食わせがグルテンの場合はウドンセットのような誤飲方式ではなく、それ自体を食わせる効果も期待できるからね」
グルテンを食いたい魚をターゲットにできるということですね。
「たとえば新ベラ狙いとかね。基本は両グルテンなんだろうけど、放流後の日数が経過してる場合などはバラケを付けたほうが効果的なことが多いからね」
アルファ21を使う理由とは?
その時、なぜアルファ21なのですか?
「安心感かな。このエサならハリに付いているってね。あとは多少なりともマッシュが抜けるからアピール力にもつながるはずだよ」
しかもマッシュが抜けても繊維が残ると?
「そうだね。でもそこまで待つ釣りかどうかは疑問だけどね。グルテンセットの場合、基本的にはバラケが残っている時にアタらせることのほうが多いからね」
両グルテンではどうでしょうか?
「それも基本的にはエサ持ちの強化だよね。高活性の魚(おもに新ベラが対象)に対して繊維の弱い(少ない)グルテンだけでは、アオられて抜け落ちてしまうかもしれない。それを防ぐ、または遅くすることができるからね」
ではどうでしょうか?
「それこそベストマッチじゃないかな。たとえば流れがある時にエサが底を引きずればハリ抜けが早くなるのは容易に想像できるよね。それを少しでも防ぎたい。あとは単純にエサ持ちがよければ待てるわけだから、食い渋り時の鬼待ち釣法にも向いているよね」
往年の名ブレンドとの混合でも使う
往年の名ブレンドである新べらグルテンとの混合でもアルファ21はよく使われますよね?
「粉が各1に水2ってやつね。両グルテンではもはや定番かつ実績を積んできたブレンドだね。宙釣りなら新べらグルテンで、底釣りなら新べらグルテン底と使い分けられるのも面白いよね。何ら不足がないブレンドだから、エサ配合に迷った時なんかはこの原点ブレンドに立ち返ってみるのもいいかもね」
先ほど「安心感」という言葉を使いましたが、それほどグルテンアルファ21は伊藤さんにとって信頼のおけるエサなのですね。
「まあね。昔から使ってるから使い慣れてるってこともある。どんな新しいグルテンが出ようとも、アルファ21を超えるエサはなかなか出てこない。それだけ完成されたエサだってことなんだと思うよ」
まるで他のエサは必要ないとも受け止めかねないコメントですね。
「誤解してもらっては困るよ。エサを持たせたい。マッシュの抜けを期待したい。そんなシチュエーションには持ってこいのエサだとボクは言ってるだけで、他の効果を期待したいならそれに合ったグルテンを使えばいい。マルキユーには、それを補うだけの豊富なラインナップがあるのだからね」
次回も「昔からあるアルファ21」です。
伊藤さとしのプライムフィッシング【昔からあるアルファ21:第1回】から読む
伊藤さとしのプライムフィッシング【昔からあるアルファ21:第2回】から読む
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>