年の瀬も迫ったこのシーズンは、管理釣り場では新子アマゴがたくさん釣れる時期。今回は保存が効いて、お正月のおせち料理の一品にも加えられる「新子アマゴの甘露煮」を作ってみてみてはいかがでしょうか。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・森雨魚)
釣り場での扱い方
アマゴが釣れたら、できるだけ丁寧に扱い、納竿まで生かしておきます。そして、最後にキープ分だけを氷締めして持ち帰るのをお勧めします。これだと小型はリリースでき、釣り場の保全にもつながります。
持ち帰り方
釣れた魚を持ち帰る際は、食塩を入れた氷水につけて持ち帰るのがベストです!氷を入れたクーラーに魚を移しかえ、水を加えて食塩を氷に振りかけます。これで通常の0度よりもやや低いマイナス4度近くになり、鮮度が抜群に保たれます。
また、こうすることにより焼き上がりに身がはじけにくく、川魚特有の臭みの原因となるヌメリが取れます。急速冷却で鮮度が保たれる上、魚体がやや硬くなっているため、調理がしやすくもなります。
自宅での下処理用3種の神器
帰宅したら、できれば内臓、エラ、血合いは除去しておきたいところです。この下処理は、カッターナイフ、歯ブラシ、竹割り箸という3種の神器を使えば簡単に行うことができます。
要領は、まずカッターナイフでアマゴの肛門から尻ビレの間までに2~3cmの切れ込みを入れます。次にやや先端をとがらせた竹割り箸で新子アマゴの口から両エラを挟み込むように突き刺し、ゆっくりとひねりながらエラ、内臓を巻き付けます。最後に、切り込みを入れた部分から押し出し、エラ、内臓を除去します。
その後、歯ブラシをアマゴの口から入れて、魚体をしっかりと握って、血合いをこすってかき出し、水洗いします。最後に水気を切れば下処理は完成です。
銀毛アマゴなどの新子アマゴのウロコは、見た目がよくないので、始めに歯ブラシでとってしまいます。尾ヒレから頭部にかけて歯ブラシを逆立てて、流水にさらしながらこすると簡単に取り除くことができます。
材料
釣れた新子アマゴ 30匹程度
山椒 少々
生姜 少々
【調味料】
酒 300ml
醤油 150ml
(お好みで薄口、濃い口、だし醤油)
味醂 50ml
砂糖 適量
(お好みで白砂糖、ザラメ砂糖)
手順
下準備ができたら、いよいよ調理です。
1、素焼きにする
まずは素焼きにします。7~8分焼くことで、煮込んでも形崩れしにくく、味もよくしみ込みます。表面グリル(1100W)なら10~13分が目安です。
尾ヒレを外側に向け、じっくりと焼け具合を見て待ちましょう。焼きあがった魚は、少し熱を冷ましてから網から外すと、焼き網に着きにくく、綺麗に剥がれます。
2、煮込み汁を作る
鍋に先ほど紹介した調味料を加えます。酒2に対して醤油1、味醂少々を加え、ひと煮立ちしたところで砂糖を加えて、味を調えます。
3、煮込む
煮汁とは別の鍋に、アマゴをお腹を上にして頭が鍋の外側に向くように交互に並べます。こうすると型崩れしにくく、盛り付けた際の姿が綺麗です。
そこへ煮込み汁を加えて落とし蓋を載せ、まずは強火で一気に炊き上げます。その後火を弱め、山椒、生姜などの香りづけを投入して、弱火でコトコトと煮込みます。
アマゴの表面が浸かる程度まで煮汁の量が少なくなれば、火を切って冷まして完成です。
4、好みによって調整
水を200mlほど加えて中火でさらに数回に分けて炊き、鍋に蓋をして蒸らすと、味の濃さを調整でき、さらに骨が軟らかくなりますので、好みに合わせて調整してみてください。
また、私はパンチの効いた新子アマゴの甘露煮が作りたいので、山椒は生山椒を使用しています。さらにややマッタリ感を出したい時は、ちょっと贅沢ですが砂糖は少し照りの出るザラメ砂糖か黒砂糖を使用します。一味違ったアクセントと食感が楽しめます。是非、お試しあれ!
5、盛り付け
盛り付けはひと工夫で心が伝わります。1匹の姿盛りが基本になります。熊笹の葉を敷いたり、花を添えたりと、季節を感じる自然の飾り素材を付けて、お皿に出しましょう。きっと、お客様への温かい気配りとなることでしょう。
6、保存
保存する場合は、少し煮汁を入れて、真空パック詰めにしての冷凍保存がお勧め。常温保存するのであれば、真空パック詰めにした新子アマゴを必ず熱湯殺菌しましょう。沸騰したお湯の火を止めて、3~5秒ほどで熱湯殺菌することを忘れないようにして下さい。
最後に
それぞれの家庭にそれぞれの家庭の味があります。我が家の味を決めるのは、あなたです。また、我が家の味を工夫するのも、あなたです。ぜひ挑戦してみて下さい。私の家では、未だに挑戦が続いています。
<森雨魚/TSURINEWS・WEBライター>