伊藤さとしのプライムフィッシング。今回のテーマは「秋のチョウチン釣り」。野釣り場を主体にこの釣りの魅力や攻略法などを伊藤とともに考えてみたい。今回は晩秋に向かっての両ダンゴ対策について。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
晩秋の両ダンゴのチョウチン攻略
両ダンゴのチョウチンができるシーズンも、あとわずかになりました。これから晩秋を迎えるにあたって、この釣りの注意点などありますか?
「できればドン深のエリアに入釣すべきだろうね。そうでなくとも秋は水温低下などで魚のタナが下がりやすい。それなのに入釣したポイントの水深が5m以下では、そもそもそのエリアに魚がいなくなってしまう可能性がある。でも10mあれば、どこかの層にいるかもしれないからね」
秋はタナを釣る
ポイントが決まれば、次はタナ(竿の長さ)ですよね?
「そうだね。情報などを加味して長さを決めるわけだけど、もし何の情報もないのなら18~21尺竿のいずれかから始めるといい」
つまり中短尺竿は捨てろと?
「そうではなくて、その長さから始めてみればってことで、中短尺竿の可能性がゼロとは言ってないよ。朝のうちはタナが深くても、日中になって気温(水温)が上昇すればタナが上がるかもしれないからね」
エサを打って上ずってくることは?
「どうだろう?新ベラならともかく、既存の魚だけで果たしてどれだけ上ずるのか。ただ、あからさまに上ずるのなら竿を短くしてもいいけど、秋はそういうことあまりないんだよね。多少は上ずっても、そのままの竿でやっていたほうが結果的に釣果が伸びることが多いよ」
でも秋はタナを釣れって?
「それは上ずりとは違うよね。エサに関係なく適水温などを求めてのタテの移動なんだし」
なるほど。確かにそうでした。
秋にマッチしたエサのブレンド傾向は?
「エサはどうでしょうか。秋にマッチしたブレンドや傾向みたいなものはありますか?」
「両ダンゴが前提ならタッチはボソっ気をやや抑えた感じがいいだろうね。もしくは上エサと下エサの役目を明確に分けるとか」
ボソっ気を抑えるということはイコールバラけ過ぎはよくないということですか?
「夏のような盛期の活性があればボソ感のあるタッチでもいいけど、秋とくにこれから晩秋に入ると、そこまでじゃないだろうからね」
上エサと下エサの役目とは?
「セット感覚の両ダンゴってことかな」
つまり両ダンゴなのに上エサはバラケで、下エサを食わせるのですか?
「まあ、そういうのもあり得るって話だよ。何せ日に日に魚の活性が落ちる時期だからね。それを両ダンゴで釣りきろうとするなら、何かしらの対策が必要でしょ。でもそこまでする必要があるなら両ダンゴにこだわらず、前にも解説したとおりグルテンセットに切り替えたほうがいいよ」
新ベラ放流への対策は?
この時期は新ベラ放流の時期とも重なります。もし放流ベラ相手のチョウチン釣りなら、エサは両ダンゴですかそれとも両グルテン?
「寄せる必要があるかないかだろうね。釣りやすさの観点からすれば両グルテンのほうが圧倒的に簡単だけど、それでは寄りを保てないのならバラケを併用したほうがいいしね」
その場合のバラケのタッチは?
「ダンゴ感覚でいいんじゃないかな。セットだけど上下どちらのエサを食ってきてもいいみたいなスタイルで」
新ベラの話が少し出たところで、次回は新ベラ釣りをテーマに話を進めていこう。次回からは「今が旬の新ベラ釣り」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>