晩秋のイカダ&カセで狙うカカリ釣りクロダイは、初心者も本命に出会える確率が非常に高くなる数釣りシーズン。今回は、この時期ならではの釣りの組み立て方を解説してみたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 橋本直)
釣り方
アタリのとり方や実釣のポイントについて解説する。
アタリ
シラサエビのエサを使用した場合のアタリといえば、カツンと手元にくるような激しい前アタリ。クロダイがエビの頭をかみ、その後に吸い込んでいく。
ボラやコノシロなどのアタリは、ラインに魚体がこすれるスレアタリ。激しく穂先が上下するが、すぐ元の位置へ戻るような軽いアタリだ。
クロダイの本アタリは、前アタリの後に穂先がしっかりおじぎしたまま戻ってこない。このアタリをしっかり見極めていかないと、ボラなどばかりを掛けてしまい、せっかく作ったステージを台無しにしてしまうこともある。慌てずじっくり待ち、しっかりフッキングするイメージでアワセを入れていこう。
一日の釣りの組み立て方
一日の流れだが、まずタックルの準備をする前に、使用するだろうエサをアンコにしたダンゴを数個投入し、ポイントをしっかり作っていく。
つぶしたアケミ貝、シラサエビ、ミンチサナギ、オキアミなどをアンコや混ぜにして5個ほど投入し、その後にタックルの準備をしてから、いよいよ実釣の開始だ。
数釣りの場合、釣り座の周りを探るよりも、私はまずオキアミのダンゴ釣りからスタートして、エサ取りやボラの反応を見て、シラサエビのエサに替えていく。
3ケタ釣りができそうなぐらいクロダイが寄っている場合は、初投から釣れる場合や2~3投目から反応してくることも多い。そのような場合はアンコにするシラサエビの量を減らしていき、食いが落ちたらまくなどメリハリをつけ、オキアミや小ボケをローテーション。目先を変えながら釣りを組み立てていくと食いも持続する。
エサ取りが多い場合はボラを寄せたい。大型魚のボラが寄れば、小型のエサ取りが遠巻きになってクロダイが捕食しやすくなるのと、ボラが乱舞してダンゴの濁りが拡散すると、クロダイの警戒心が薄れて活性が上がるからだ。しっかりダンゴを打ってボラを寄せ、時合いを作っていこう。
クロダイが寄ればこちらのもので、1匹ずつ確実にフッキングしていくことが釣果にもつながっていく。慌てて素バリを引いたり、ボラを掛けてばかりでは、せっかく寄ったクロダイを散らしてしまうので注意しよう。
カカリ釣りを始めよう
いろいろ解説してきたが、年間を通して一番クロダイに出会えるチャンスがある秋。イカダ&カセで狙うカカリ釣りのクロダイをしてみたいと思っている人は、ぜひこの時期に始めてほしい。
クロダイの数も多く、いろいろなアタリを見ることもでき、エサのローテーションの違い、さまざまなシチュエーションがあって、いろいろ試せる絶好のシーズンだ。
朝晩は冷え込む場合もあるが、昼間はまだ暑い日もあって、ウェアの選択が難しい季節でもあるので、余分に羽織る1着を持参して、準備万全で楽しんでほしい。
<週刊つりニュース中部版 橋本直 /TSURINEWS編>