管理釣り場で釣れる代表魚といえば、『ニジマス』。釣りすぎると食べきれないなんてことも。そこで、今回は簡単に作れる『ニジマスの一夜干し』の作り方を紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・松浦)
ニジマス一夜干しの魅力
釣り堀で釣った魚を持ち帰らなくなったな。そんな人も多いハズ。でも、ちょっと待った!確かに食べきれない量の魚を持ち帰って無駄にしてしまうのはもったいないし、何より釣るだけでも楽しいので満足しているのかもしれない。
しかし、思い出してください。初めて釣った魚を塩焼きにして食べた感動を。
少し付けすぎてしまった塩が皮の上で固まり、背びれを取ってそこから塩の塊ごとかぶりつき、皮の内側から現れた塩っぱさを打ち消すかのような純白でふわふわな身に心を踊らせたはずだ。そんな感動を調理方法を変えることで再び味わうことができる。
それだけ高いポテンシャルを秘めた魚がニジマスなのだ。
様々な調理法に対応
ホイル焼き、ムニエル、甘露煮、燻製などなど、多くのオススメレシピがあるが今回はその中でも『一夜干し』を紹介したい。
一夜干し最大の魅力はズバリ、誰でも簡単に美味しく作ることが出来るからだ。干物と聞くだけで少し難しそうに感じるかもしれないが、そんなことはない。使う材料も塩と水だけ。干し時間も一晩だけなのでレシピ通りに作れば誰でも間違いなく寝て起きたら、そこには美味しい干物が待っている。
釣り場でのニジマスの下処理
何よりも下処理が肝心!釣った魚は適切に処理することで良り美味しく食べることができる。大半の管理釣り場では魚を捌くスペースを用意しているのでそちらで下処理を行おう。
ただ、防犯上の都合でナイフが置いていないところもあるので忘れずに持参しよう。もちろん、次使う人のことを考えて使い終わったあとの清掃も忘れずに。
下処理の手順
1、ナイフの裏側で魚の頭を叩いて気絶させる。
2、エラの膜を切り、そこに水をかけ血を抜く。
3、肛門から刃を入れてエラのところまで開く。
4、内蔵とエラ、血合いを取り除く。
5、鱗、ヌメリを取る。(金たわしを使ったほうが鱗は簡単に取れる。個体によるがヌメリが強いものは塩もみをすると取りやすい)
6、ビニール袋に入れて氷の入ったクーラーボックスに入れて持ち帰る。(魚をビニール袋に入れることでクラーボックスが汚れずに済む)
※下処理の工程を詳しく知りたい人は「管理釣り場スタッフが教える『釣り場で出来る川魚の下処理3工程』」を参照。
注意事項
釣り場でここまで処理を行っておくと家のシンクが汚れずに済む。釣り場に捌く場所がなかった場合は家に持ち帰って行おう。
当たり前だが、くれぐれも許可なく釣り場のトイレの水道で捌いたりすることはやめよう。(トイレに魚の鱗と内蔵が飛び散り地獄絵図になるので要注意)
ニジマスの一夜干しの作り方
材料はこれだけ。今回は測り安いように11%の塩水を使用するが、作ってみて塩加減を変えたい場合は10~15%程度の間で変更しても美味しく仕上がる。
2人分の材料
・ニジマス:2匹
・水:500ml
・塩:50g
家に帰ってからの下準備
1、水道水で綺麗に洗い、鱗、内蔵、血合いが取れているか確認する。
2、キッチンペーパーで水分を拭き取り、腹開きをする。(今回は内蔵を取り出した時に腹を開いたため。背開きでも可)
3、開いた魚の身に塩を適量ふりかけ、冷蔵庫で30分寝かせる。
4、魚から出た水分をキッチンペーパーで拭き取る。
以上で下処理は終了となる。鱗、内蔵、血合いが腐敗の原因になるためできるだけ綺麗に取り除こう。また、塩を振ることで魚の中にある余分な水分と臭みを取り除くことができる。
作成手順
1、用意した水と塩を混ぜて作った塩水で開いたニジマスを1時間程漬ける。(ジップロック等の袋を使うと洗い物も少なく済む)
2、漬け終わったニジマスの水分をキッチンペーパーで綺麗に拭き取る。
3、乾物ネット等に入れて屋外または浴室乾燥に入れて一晩干す。干す場所がない場合は冷蔵庫に身側を上にしてラップをせずに入れる。※乾物ネットは100円ショップにも売っている。ひとつあればなにかと便利なのでおすすめだ。
4、表面がモチモチしていて光沢が出ていれば出来上がり。出来上がった干物は弱火で5分程炙れば美味しく食べることができる。食べきれなかったものはラップで包んで冷凍すれば保存が効く。
干物アレンジ方法
出来上がった干物はそのまま焼いて食べるだけでも十分美味しいが、少しアレンジを加えるだけで違った味を楽しむことができる。醤油とみりん、酒で作った甘だれをかけて食べると違った味付けを楽しむことができるし、ほぐした身をゴマ油で炒めるとふりかけになる。自分ごのみのアレンジ方法を探してみるのも楽しみのひとつだろう。
干すことで旨みが増した身には無限の可能性があるのだ。ギュッと詰まった美味しさを気軽に味わえる一夜干し、是非チャレンジしてみてはいかが。
<松浦/TSURINEWS・WEBライター>