伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「マッシュ系エサの宙釣り」。この釣りで多く見られる場面は大型釣り。とくにダム湖などの大型狙いではなくてはならない釣り方だ。今回は千葉県君津市にある片倉ダム(笹川湖)での実釣記をお届けしよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
小坪井沢片倉ダムへ
5時、レンタルボート笹川から出舟し小坪井沢を目指す。天候は曇天だが、いつ雨が落ちてきてもおかしくない空模様。
途中の親水公園下、宮ノ下、ヅウタ橋周辺にモジリはゼロ。情報どおり本湖方面は壊滅状態のようだ。ゴンカミまで上るとモジリは見られたが、ピチャッと跳ねるような音で本命のモジリかどうか怪しい。
モジリを探しつつゆっくり進んだので、ボート桟橋から約30分を要し小坪井沢に到着。ここまで上ってきたのは私を含めて4人。しかしあまりのモジリのなさに1人は下流へ戻ってしまう。
残る3人で着舟準備。すると次第にモジリが出始めたではないか。しかもかなりの大型っぽい。1人が最上流部のゴミ溜まりの横に入り、私はその下流。すると準備をしている時から舟の近くでもモジるようになった。
当日のタックル
舟を止めたのは右岸の立ち木群。最初はもっとも沖に出ている立ち木に舳先を止めたが、モジリがかなり近くで出ているので舳先をさらに岸寄りの立ち木に縛り直してより立ち木に近いラインを狙えるようにする。
舟の位置はそのままで竿を短く(10尺前後)する手もあったが、それでは物音に警戒してしまうかもしれない。そこで舟を後ろに下げて、やや長めの頼刃またたき13.5尺を継ぎタナ1本半をマッシュ系両ダンゴで狙う。水深はウキが立つ真下周辺で約5m。タックルとエサは下図。
立ち木周辺を狙う場合の鉄則は掛かった魚に遊ばれないこと。従って竿は剛竿と呼ばれるカテゴリーがベスト。強引に引き抜くため、ハリスも通常より太めが必要。従って必然的に道糸もさらに太めが要求される。
マッシュ系エサの宙釣り
6時にエサ打ち開始。と同時に、バケツをひっくり返したような土砂降りが襲う。舟内に溜まった水をかき出しながらの忙しい釣りだが、雨音が人の気配を消してくれるので大型釣りにはまたとないチャンスでもある。
実際、雨が降りだしてからのモジリ数は到着時の比ではなかった。なのにアタらない。タナが違うのかとセミカッツケ~2本半まで探るも、触りすら出ないのはどういうことか。
開始からすでに4時間が経過。豪雨は通り過ぎ時々小雨が降る程度となったが、釣況はまるで変化なし。見える範囲の下流に移動した知人にも浅ダナではアタリがなく、ガマンの限界とタナを深くした途端にコイの入れ掛かりになった。笹川湖の底付近狙いはコイやマブナの餌食になる。それは分かっていても、アタリがないとつい深くしてしまう。
モジリだけはあるが
ノーアタリのまま13時30分まで粘ってしまった。情報を取ろうにも小坪井沢は携帯の電波が入らないので、舟のロープを解き電波が入る所まで下る。すぐさま知人に連絡すると「誰も釣れてはいないが近くでモジリだけはある」とのこと。場所は少年自然の家。知人の並びに入れさせてもらい、桟橋帰着時間ギリギリまで粘ったが、アタリを一度も出せずに納竿となった。
この日は出舟者全員がオデコ。雨の影響かどうかは分からないが、これほどアタリがなかった笹川湖も珍しい。まあしかし大型釣りにオデコは付き物。これに懲りずにまた挑戦してみよう。
次回も「マッシュ系エサの宙釣り」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>