和歌山の紀北や泉南方面では、豆アジが徐々に大きくなり、アジングでも釣れるようになる季節だが、ポイントによってはまだまだ良型のアジが釣れている。今回は、和歌山市内の南西部に位置する和歌浦方面のポイントを紹介したい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
『新和歌浦』の概要
和歌浦とは雑賀崎、田ノ浦、新和歌浦、片男波やマリーナシティを有する、和歌浦湾の総称で「万葉集」にも詠まれた古くからの風光明媚な景勝地として知られる国指定の名勝地だ。和歌しらすや灰干しさんまなどのおいしい特産品から、おしゃれなカフェや隠れたグルメスポットなども多い。
今回はその中でも「新和歌浦」に焦点を当ててみる。新和歌浦は和歌浦湾の中心にある大きな港であり、マリーナシティからも車で10分ほどの距離で、交通のアクセスもいい。和歌浦湾の一番湾奥に位置するため、比較的海も荒れる事が少なく、穏やかで釣りがしやすいポイントだ。
釣りモノはアジ、イワシやチヌ、タチウオからタコ、アオリイカ、コウイカ、キスやカレイと四季を通じて魚種も多彩。
また、港内には駐車場やトイレも数カ所完備されているため、女性やファミリーにもおすすめ。
新和歌浦港の左右の両端には、漁船などが停泊している通称「旧波止」と片男波海水浴場に隣接するヨットハーバーの通称「年金波止」の2本の防波堤があり、ライトゲームでもこの2本の波止が主なポイントになる。
通称「年金波止」
まずは、新和歌浦入り口から向かって左側に位置する、年金波止から説明しよう。
まだ比較的新しい波止で、新和歌浦と片男波海水浴場を隔てている堤防。堤防の外向きは比較的足場が高く内向きは一段大きく下がっていて足場も低い作りとなっている。
常夜灯の内、外が狙い目
外側、内側ともに底質は砂底。波止の根元から、中ほどまでの内側がヨットハーバーとなっているので、中ほどまでにのみ常夜灯があり、この常夜灯部分の内向き、外向き両方にアジが付くことが多い。
内向きはごく一般的な常夜灯下でのアジングで、外向きは足元のシェードを狙う釣りになるのだが、底が砂なので、その砂底に点在するシモリや足元の基礎石部分などの、ハードボトムを探しながら釣っていく。
もちろん、ガシラなどの外道も交じるのだが、パターンにハマればアジの少ない和歌山市内でも、そこそこの数が釣れる。
30cm超えのアジも
リグはジグヘッド単体でOK。この堤防の先端部分は常夜灯もなく、なかなかアジが足を留めにくい場所なのだが、まれに30cm近いトツカアジも回ってくることがある。だが、これはその年によってもまちまちで、かつベイトの捕食で回ってくるアジなので、当たり外れがかなり大きく、時合いも短い。
通称「旧波止」
次に入口より右側の旧波止。こちらは、漁港になっていることもあり、また、ハマチの養殖イケスや荷揚げ場もあるので、全体的に常夜灯やライトも多くて明るい。波止も全体的には古いのだが、その分、昔からの地元の釣り人も多く、自転車や単車でなら波止の先端まで行けてしまう。
この波止のポイントは、外向きの根元から1/3ほどにある古いテトラ帯と、内側にある漁船の間である。
オススメは付け根の古いテトラ帯
まずは、外向きのテトラ帯から。ここは数年前から波止の外側全体にテトラを入れて整備しているのだが、ここでオススメなのは、テトラの中でも根元の方にある、古くからあるテトラ帯。現場で見れば一目瞭然なので、釣行の際には確認してエントリーして頂きたい。
このテトラ帯での釣りは基本的にジグヘッド単体の釣りで、ここも砂浜に隣接しているために底は砂なので、テトラの際と常夜灯の明暗絡みとなる。ここは秋口になると大型のトツカアジも回遊するため、この時期にはフロートリグでの一発大物狙いも面白い。
内向きは小型アジの溜まり場
最後に内向きの停泊船周りだ。ここは豆~小アジクラスの溜まり場となっており、魚影は濃いのだが掛けるのが難しい、豆アジの練習場で、ポイントはもちろん常夜灯絡みの停泊船のシェードとなる。注意点としては漁船にルアーを引っ掛けたりしないように、できるだけ船どうしの距離が開いている場所を狙うなど工夫をしていただきたい。
ここ数年は和歌浦でもシラス漁船が停泊しだし、このシラス漁の網を停泊場所で洗うため、船の下に意外なほどいいサイズで体高もあるアジが付くことがある。これに当たると、かなりいい思いができるのだが、これも、そのタイミングを計るのは難しい。
今回は、新和歌浦に焦点を当ててみたが、和歌山市内はそうアジの濃いエリアではないため、数カ所をランガンするつもりで出かけるのが得策だと思う。サイズ的には小型が多いが、ハマれば数釣りも可能なエリアだけに、この時期からアジングを楽しんでほしい。
<和田格/TSURINEWS・WEBライター>
新和歌浦
所在地:和歌山県和歌山市