観賞魚飼育のトラブルシューティング【8月編】 高水温による注意点4選

観賞魚飼育のトラブルシューティング【8月編】 高水温による注意点4選

いよいよ夏本番。実は自宅の水槽に魔の手が忍びよっています。今回は夏場の水槽で水温が上がった時に起こりがちなトラブル4つと注意するポイント、そして解決策を解説していきます。

(アイキャッチ画像出典:PhotoAC)

TSURINEWS編集部 TSURINEWS編集部

その他 サカナ研究所

夏の水槽トラブル

そもそも夏になるとどのようなトラブルが水槽に起こるのでしょうか?

水温が上がるだけでしょ?

いやいや。それだけではありません。

もちろん水温も上がリますが、それに付随して様々なトラブルが起こります。今回は意外と知られていないトラブルとその解決策を紹介します。

1.水の蒸発に注意

水槽の水は思ったよりの早く蒸発していきます。

上部ろ過器の付いた水槽やエアレーションの付いている水層では、水が空気に触れる時間が増えるため、蒸発しやすくなってしまいます。

こまめに水足しをするようにしましょう。

この際、水道水の塩素濃度には注意が必要です。

意外と知られていませんが、水道水の塩素の量は季節によってちがいます。夏は微生物の繁殖を妨げるために、水道水に含まれる塩素の量が増やされています。

中和剤を入れる際は、濃度に気をつけましょう。気になる方は、塩素テスターなどでこまめにチェックしてみてください。

2.水質が悪化しやすい

エサの食べ残しや生体の排泄物が原因で、水の腐敗や水質が悪化しやすくなります。

普段はバクテリアがある程度これらの物質をキレイに分解してくれますが、夏場はその前に水中で腐ってしまいます。

そうすると水は汚れ、水質がかなり悪化してしまいます。

食べ残しがある場合は、もったいないとは考えず、出来るだけ早く取り除き、定期的な水換えを行いましょう。

水換えの量が足りていないと、水中の栄養素が多くなり(富栄養化)、コケが大量に繁殖してしまいます。

こちらも水換えの頻度を増やすことで対応が可能ですが、夏場は少しエサの量を減らすのも一つの手です。

3.水中の酸素量が減る

私たちが呼吸をしているように、水中に住む生物は、水中に溶け込んでいる酸素を取り込んで生息しています。

この溶け込んでいる酸素のことを溶存酸素といいます。

この溶け込む量は水温が低いほど多くなりますが、夏場は溶存酸素の量が15%くらい減ります。

水中の生物はこの溶存酸素を取り込んで生息しますから、水温が高ければ高いほど、そして水中の生物が多ければ多いほど、溶存酸素量は少なくなってしまいます。

夏場だけ限定でエアレーションを施すのが望ましいでしょう。

観賞魚飼育のトラブルシューティング【8月編】 高水温による注意点4選エアレーションで酸素を供給(出典:PhotoAc)

4.サカナの体温も上がる

サカナは人間とは違い変温動物です。水温が下がると体温も低下し、水温が上昇すれば体温も同じように上昇していきます。

 

彼らの水温の適温は26度前後です。ということは健康的な体温も26℃くらいになります。

しかし、夏場の水温は、水温を下げる機材が付いていない場合、外気温に対して+2℃くらいになります。

そうなると、室温28℃の部屋に置かれた水層は、水温が30℃くらいになってしまい、サカナの体温も30℃になってしまいます。

そうなると、死なないにしても、魚たちの体温は高くなりすぎで、ドンドン衰弱していってしまいます。

高水温が長期間続くと、熱帯魚は調子を崩してしまうのです。

解決策

水温が高くなることで様々なリスクを抱えることがお分かりいただけたかと思います。これを解決するためには、熱帯魚用のクーラーを設置するのが一番手っ取り早いです。

しかしこれにはコストがかかるため、難しいという方は、なるべく直射日光の当たらない涼しい場所に水槽を移動しましょう。

それも難しい場合は、日中はエアコンを付け、室温を26℃位にしてください。特に気温の上がる13時前後はマストです。

これだけで、水槽への魔の手を追い払うことができます。

やってはいけない対応

「水温を下げればいいでしょ」と安易に水槽の中に氷を入れて冷やす人がいますが、これは絶対にしてはいけません。

急激に水温が下がると、サカナたちの免疫力が下がって病気になりやすくなったり、最悪の場合ショック死してしまいます。

熱帯魚は変温動物なので、水温=体温になるのです。

これを絶対に忘れないこと!急激な変化には十分気を付けてください。夏場は非常にトラブルの多い季節です。

どんなトラブルが起こり得るのかを知り、しっかり対策をしましょう。

<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>