この時期の夜明けは早い。午前5時前には薄明るく、福岡県宗像市・神湊港に向かう車中で、一日のマダイゲームの組み立てを考えながら港へ向かった。タイラバとタイジグの両方で挑戦してみるつもりだ。
(アイキャッチ画像提供:庄山英伸)
タイラバとタイジグの両刀で
6月3日は、セカンドステージ・久丸でマダイゲーム。出船してすぐ西に進路をとり、大島沖のポイントへ40分もかからないくらいで到着した。
森下船長のアナウンスで「このポイントはスポーニングアフターとミッドが混在するスポットです。基本的にアフターメインで狙いますが、ここでは最低30回は巻いて誘ってください。
回遊レンジはボトムですが、底から追いかけてバイトしますので、底ばかり狙っていると食いませんよ。」と乗船者全員に話す。私はこの状況に対し、タイラバとタイジグを一流しごとに変えて狙ってみようと、当日の釣りを組み立てた。
まずはタイラバで挑戦!
まずはタイラバから。タイラバヘッドは私自身が開発に参加したフリースライドSFヘッド60g・UVRグリーンゴールドとツインカーリー白海老から始めた。
カラーの根拠は、ボトム付近ではソリッド系はシルエットを見せマダイに気づかせるが、中層ではナチュラル系の方が反応はいいからだ。
その1投目、今回乗り合わせたプロショップDeeper・まり店長が早速1kgサイズをキャッチ、これに続けと私も800gを釣る。船長は、「食いだすのは下げに入って底潮にトルクが出てから。」と話す。
タイジグでもチャレンジ
本来ならタイラバで検証・絞り込みを行って、当日のパターンを探すのだが、こういう時にタイジグならマダイは別の反応や動きをみせる。そこで、当初の考え通り一流しごとのタイラバとタイジグの釣りを行う。
タイジグではただ巻きが基本の動きだが、等速移動のタイラバに反応が薄い時に同じ動きを行ってもマダイの反応は薄い。そこでジャークやロングフォールを組み合わせ、そのイレギュラーな動きでリアクションバイト(反射食い)を誘発する目的もある。その中で、今回マダイはタイジグにもいい反応をみせ、タイラバでショートバイトなどの時にしっかり食わせることができた。
タイラバでは森下船長が話す通り、時合いが潮の流れの変化とともに2度あり、その両方でいいサイズのマダイを掛けた。使うタイラバは冒頭と同じだが、その時は船中で4人同時ヒットもあり、まさにこの時にマダイの活性がピークになったのが分かる。後半の時合いの時は、普段からよく乗る船なので船長の動きの意味が尋ねなくても分かる。
ポイント休ませてヒットへ
ぽつぽつ釣れているポイントから、半マイルも離れていないポイントに移動した。流れが変わったのはGPSを見なくとも、巻くタイラバの潮噛みで分かった。二流し後、再びもとに戻るとマダイにスイッチが入った。この時もまり店長がデカいのを掛け、その後は私も続いた。
後で船長に聞くと、やはりポイントから離れ魚をプレッシャーから少し開放したとのこと。そうして戻って口を使わせたとのこと。
これぞ連携プレー、船長と釣り人の思惑が合致した結果だ。一日のうちに数度このピークをものにできるのは、そういった船長の船だからこそといえる。たまたまではなくキッチリ狙ったマダイ、それを狙って誘う釣り人がいるからこそ成立した釣りだった。
タイラバ&タイジグで釣ろう
この日のマダイは、海底から3~4mしか浮いていないことが多かったが、口を使うレンジは25~30回巻いたところだった。角度がついているので海底から20mほどだが、そのくらい追いかけてきている。またバイトの仕方、その前ぶれでも確認できた。
今回もタイジグ、タイラバと得ることが多い釣行だった。食うタイミング、ピンスポットを把握できると、そこで何が1番有効かを考慮し釣りを組み立てる、そういうタイラバもいいと思う。
<週刊つりニュース西部版 APC・庄山英伸/TSURINEWS編>