沖のイカ釣り仕掛けは大きく分けて2つブランコ式と直結式だ。今回は上級者用と思われている直結式を解説していこう。
落とし込みの釣り方
仮に「水深100m。反応は80mから下。」とアナウンスされた場合の攻め方を説明したい。
ツノの本数が7本と仮定して、ツノ間が1.5mの場合、仕掛けの全長だけで10m超え。つまり、電動リールをゼロセットの状態にしても、その先に10mを超える仕掛けがセットされていることになる。
オモリを投入して、仕掛けが海中へと消えていくなかで、注意するのはミチイトのカラーリングとメーターマーク。電動リールの表示ではなく、ミチイトの10mごとのカラーで、仕掛けの位置がどこにあるのかイメージしながら釣ることが求められる。
潮流などを度外視した場合、仕掛けの一番下のツノが80mから下の反応に入り始めるのは、ミチイト7色目を超えたあたり。ここでスプールを強めにサミングして、落下のスピードを弱める。スローなスピードでツノを徐々にイカの反応へと入れていくとき、私が注視しているのは竿先や海面下へと消えていくミチイト。
落ちていくツノにイカが触ると竿先が震えたり、ミチイトが不自然な動きをするので、そのときは迷うことなく強くアワせる。
ツノを掴む時は
右手でツノを掴むときは、ツノの下から鉛筆を持つようにつかむ。上から握ってしまうと、ツノを引いた際、ミキイトを結んでいるカンナの部分に荷重が掛かり、ツノが折れることがある。つかむのは下からが鉄則。
加えて、イカを取り込むときにもツノからイカを外すのはツノを掴むのと同じ右手。左手は、ツノ上のミキイトをしっかりと掴んだ状態でキープする。
再投入
投入器を使うときは、取り込んだあと、オモリを前方へ投げ入れれば問題ない。
使用しない場合は、取り込んだ手順とは逆の流れ。
オモリがすでに海中にある状態で、取り込んだ際と同じように両手を広げて構える。両手間にミキイトを這わせながら、オモリが海中に沈むのにあわせ、右手でミキイトの絡みを解きながら、ツノが右手の位置まできたら、左手に持ち換えてツノを一つずつ海中へと沈めていく。
すべてのツノを再投入できたら、竿先を下げて、仕掛けの落下を促す。
最後に
取り込み、再投入も注意点は焦らないこと。イカの姿が見えると、ついつい焦りがちになるが、スピードを一定に保って取り込む。これができるようになれば、手返しは速くなるし、1回の流しで、数を重ねることも可能。
とはいえ、文章で一連の流れを読むことよりも、船上で経験を積んで慣れることが大事。臆せずにトライしてみてほしい。
<週刊つりニュース関東版 APC 田中義博 /TSURINEWS編>