今穴釣りが静かなブームとなっているらしい。初心者向けと思われがちだが意外にも奥は深く、その魅力にハマればベテランさえも熱くさせてくれる楽しい釣りだ。
お手軽な穴釣り
穴釣りは、一般的にはテトラ帯などを狙うことが多いが、足場の悪い所が多く、本当に初心者向けなのかと言われると微妙な部分もある。
そんな訳で今回は、超お手軽な穴釣りを紹介しよう。そう、穴は何もテトラだけに限ったことではないのだ。
本来ならもっと早く書くべきだったのだろうが、実は私自身この釣りを紹介することになると思っていなかったので、その点はご勘弁願いたい。
というのも初夏はアナゴのベストシーズン。本来ならアナゴ爆釣という見出しで執筆の予定だったのだ。ところが、今年はアナゴが絶不調。
そこでアナゴ釣りの傍らに楽しんでいるのが、この穴釣りなのだ。
霞ふ頭で穴釣り
釣行したのは6月5日。午後7時半ごろに三重県四日市市の霞ふ頭でサオを出してみたが、狙いのアナゴは激渋。
そこで足元狙いに使っている短いテトラザオを1本拝借。ラインの先に1gのジグヘッドを結び、ワームをセットする。
狙う穴はというと、ふ頭の壁面に設置されたゴム製の防舷材の穴だ。縦横さまざまな形状のものがあるが、狙うのは縦型で中空になっているもの。
そんな所で釣れるのかと思う人も多いだろうが、その下部にはカキ殻が付着し、絶好のストラクチャーとなっている。
穴釣りの釣り方
釣り方は穴の中にジグヘッドを落とすだけ。魚は防舷材の中や直下に潜んでいるため、それより下を探る必要はない。潮位にもよるが、防舷材の水中に沈んでいる部分などたかが知れている。数10cm落としてアタリがなければ、隣の穴に移動という探り釣りになる。
ただし、穴の中にはカキ殻などが付着しているため、ストンと落ちていくことは少ない。途中で引っ掛かる場合は、少し持ち上げては落とし、を繰り返しながら探るのがコツだ。当然ラインはやや太めのものが適している。細いラインを使う場合は、先端にリーダーを接続するといいだろう。
早速、カサゴがヒット
とりあえず最寄りの穴に落としてみると即ヒット。軽くアワセを入れたら、強引にリールを巻いて穴から引きずり出す。上がってきたのは10cmほどのチビカサゴ。
次は隣の防舷材。ここでもアタリはすぐに出たが食い込まない。数回の誘いでようやく食わせると、今度は少しサイズアップした15cmほどのカサゴ。
だが、こんなサイズでも即座に潜られてしまうため気は抜けない。
しばらく探り歩き、10匹ほどのカサゴをキャッチしたところで四日市港に移動。
四日市港でも飽きない釣果
四日市港は、場所によっては穴のない防舷材もあるが、あちこち移動しながら穴を探せば飽きない適度の釣果は得られる。この日は午後9時半に終了。カサゴは大半がリリースサイズだったが、十分楽しめた一日だった。
穴釣りは夜がおすすめ
今回はジグヘッドとワームを使用したが、ブラクリを使ったエサ釣りでも楽しめる。ただし、日中は水面近くまで魚が浮いてこないことも多いため、狙いは夜。しかも、潮が下がると防舷材が水面上に露出するため、狙えるのは潮位の高い時間帯に限られる。
とはいえ、高確率でサオ抜けポイントとなるため、タイミングさえ合えば予想以上に楽しめるはずだ。
えっ?防舷材の際を狙っても同じように釣れるんじゃないのかって?いやいや、穴には夢とロマンがあるのだよ(笑)。
<週刊つりニュース中部版 APC・浅井達志/TSURINEWS編>
四日市港霞ふ頭